第拾雄洋丸

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昔東京湾で起きた大事故のことをふと思い出しました。第拾雄洋丸という大型のタンカーに別の貨物船が衝突し、積荷のナフサやLPGに引火し、二十日間に渡って巨大な炎を上げ炎上した事件です。当時、連日のように報道されました。一時は航路がふさがれたため、東京湾に面した港は入出港が禁止されました。消火が極めて困難であるため、最後には自衛隊の艦船からの砲撃と魚雷によって破壊し、沈没させました。異常とも言える結末で、強烈なインパクトを持った事件でした。
その当時父の運転する車の窓から夕暮れの中炎を上げる第拾雄洋丸の姿を遠くに見た記憶があります。この事故依頼、東京湾は水先人強制区に指定され、湾内を航行する一万総トン以上の船舶は水先人による操舵が義務付けられました。
さて、福島の原発事故は未だ収拾できていません。この事故からどのような教訓を学び、二度と事故が起きないようにどのような措置が取られるのでしょうか。ストレステストという名の机上の皮算用だけで済むとは到底思えません。

昭和四十九年十一月に東京湾で起きたタンカーの火災事故