月: 2015年8月
『東京バンドワゴン』
昭和の香りのする小説です。連作短編形式で、古本屋を営む大家族が繰り広げるドタバタ劇です。何となく昔のテレビドラマ『寺内貫太郎一家』を髣髴とさせる内容です。 今でこそ核家族化が進んで、3世代以上が一件の家に同居することが珍しくなりました。しかし、私もそうでしたが、昭和の家というのは3世代、時には4世代…
物事の見方と悪事の排除の方法
帯久という落語の演目があります。篤志家の泉屋与兵衛の元に金を借りに来る隣町の帯屋久七。与兵衛はそんな久七に金を貸し、御膳でもてなします。久七はそれに恩義を感じ、期日までにきちんと金を返す。そしてまた金を借り、金を返すというやりとりがしばらく続きます。 師走の多忙な時期に久七は与兵衛を訪ね100両の借…