読書211月2016『対馬丸』大城立裕氏の『対馬丸』を読んでみました。対馬丸事件はおぼろげながら知ってはいたのですが、事件だけに着目すると上辺だけの遭難事件としか受け取れません。一方本書では、事件に至るきっかけとなった、旧日本軍が発した疎開を促す通達、そして通達を出すに至った当時の戦況が時系列で細かに書かれています。そして巻末に… 続きを読む
読書141月2016『イグナシオ』ヤクザもの等の暴力描写の多い作品は嫌いです。でも、何故か花村萬月氏の作品は好きです。今回読んでみた『イグナシオ』は、冒頭からバットで人を殴り殺す場面から始まります。 著者自身が明らかにしている事ですが、著者は幼くして父を亡くし、素行に問題が有るとして、養護施設に預けられます。『イグナシオ』の他にも『… 続きを読む
読書81月2016『きれぎれ』一つ一つの料理は美味いが、全体ではなんだか解らなくなるコース料理ってありませんか?今回手に取った町田康氏の第123回芥川賞受賞作の『きれぎれ』もそんな感じです。 はっきり言いましょう、私はこのような小説は苦手です。書き出しは面白いし、その他の部分だって、数ページごとに限って言えば面白いんです。だけど… 続きを読む
日々是好日51月2016今年の正月は今年の正月休みは、近所に散歩する以外はほとんど家にいました。ここ数年では珍しく家族揃っての正月休みでした。少し恥ずかしいのですが、家族と過ごす正月はこれに勝るものを知らぬほど良いものでした。数年前に、正月を旅先で過ごした事も有り、これも家族と一緒という意味では良いものでした。恥ずかしながら、この齢に… 続きを読む