苦節一年、ようやくヘッドホンを鳴らせるようになりました
昨年の独身の日に買ったMP3デコーダーに漸くヘッドホンアンプを取り付けで、なんちゃってMP3プレーヤーに仕上げました。
このMP3デコーダーですが、イヤホンジャックはついてはいるのですが、カップリングコンデンサの容量が小さいためか、低音がごっそり抜け落ちたシャカシャカ音しか出ません。これを解決するために、カップリングコンデンサをショートさせたら強烈に発熱して壊れそうになってしまいました。
そこで、まともな音を出すにはヘッドホンアンプを追加するしかないと思い立ち、ユニバーサル基板にMP3デコーダーとトランジスタを使ったアンプを載せてみました。何となく上手く行くかと思ったのですが、大失敗です。ヘッドホンから音は出るのですが、ノイズまみれです。ノイズを抑えるために、色々と試しましたが中々上手くいかず、しばらく放置していました。本来なら、MP3デコーダーに使用されているLSIのデータシートを取り寄せて、解決の糸口を見つけたかったのですが、残念ながらLSIの型番は削り取られています。
放置してそろそろ一年が経過しようとしています。何とか二回目の年越し前に問題解決しようと、MP3デコーダーを虫眼鏡で眺めて回路を追っていました。
ノイズ対策で一番の肝はバカの一つ覚えのようにグランドの取り方だと思い込んでいますので、とにかくグランドのパターンを追っていきました。すると、ちょっと気がかりな部分が見つかりました。LSIのオーディオグランドがコンデンサを介して電源グランドに接続されています。つまり、ロジック回路のグランドとオーディオ回路のグランドが接続されてしまっているわけです。
ここまでわかれば、あとはなんとかなります。とりあえずオーディオグランドと、電源グランドの間のコンデンサを取り外し、アンプへのオーディオ信号は直接LSIの足にリード線をはんだ付けして取り出すことにしました。
オーディオグランドと電源グランドを分離することで、かなりノイズは減ったのですが、やはりノイズは乗っています。グランドからのノイズの回り込みは無くなったものの、電源ラインからのノイズが若干残っているようなので、アンプの電源部分にコンデンサを追加しましたが、ノイズはそれほど減りません。そこで、苦肉の策として電源ラインに1mHのコイルを直列に入れることで、無音時でなければ気にならない程度までノイズを抑えることができました。
ちなみに、アンプ部分はバイアスの取り方さえ間違えなければ失敗のないAB級のプッシュプル構成にしました。まだ、完ぺきとは言えませんが満足の出来となりましたので、これにてMP3デコーダーのMP3プレーヤー化作業は終了としたいと思います。
しかし、デジタル回路とアナログ回路の混在というのは難しいものですね。ノイズ対策がこれほどまでに難しいとは思いませんでした。