KZ D-FIは初心者向けチューニングだった
KZ D-FIというイヤホンを試してみました。このイヤホンは、DD(ダイナミックドライバ)一発のシンプルなイヤホンです。しかし、音質はハイブリッドイヤホンに通ずるものがあります。
金属製の本体は、以前レビューした、KZ Castorによく似ています。KZ D-KIにはスタンダードモデルと、音質調整可能なチューニングモデルがあります。しかし、今回は、安価なスタンダードモデルを選択しました。
KZ D-FI開梱
今回も、Aliexpressで購入しました。購入時の金額は467円でした。
梱包はシンプルで、KZの低価格機で良く見られる形です。紙製のスリーブを外すと、紙箱に収められたイヤホンが現れます。
紙箱には、本体と付属品が収められています。付属品は、ケーブルの他に、交換用イヤーピース2組です。
ケーブルは着脱可能なタイプで、使用前に本体に取り付ける必要があります。しかし、本体にL/Rの表記がありません。ケーブル取り付け時には、注意してください。
このイヤホンの本体部分は、濃いガンメタリックの金属製です。重量感もあり、全ての角に丸みが付けられており、質感は非常に高いです。
ステム部分は、本体と一体化されています。
肝心の音は?
今回購入したのは、安価なスタンダードバージョンです。しかし、音のチューニングは絶妙です。したがって、チューニングバージョンを選ぶ必要は無いように感じます。
音の傾向は、所謂ドンシャリ型の音です。しかし、低音の質は高く、量には節度があり、低音が中高域の音を濁してしまうことはありません。中音域は、わずかに後退した印象をうけます。しかし、不足を感じさせない、絶妙なチューニングです。また、高音域は華やかです。しかし、共鳴による高音域の嵩増しはそれほど行われていないようで、ボーカルのサ行が刺さることはありません。
KZ D-FIは良くできたイヤホンだと思います。しかし、多くの高級イヤホンの音に慣れた方には適していません。高級イヤホンは、一般的に高音域重視のチューニングが施されています。そのようなイヤホンに慣れた方は、D-FIの低音が過剰だと感じるはずです。
一つだけ持つなら、KZ D-FIを検討すべき
もし、一つだけイヤホンを選ぶなら、このイヤホンを検討すべきでしょう。しかし、前述のとおり、高級イヤホンとは異なったチューニングが施されたイヤホンです。したがって、いくつものイヤホンをお持ちの方なら、スルーした方が良いでしょう。
しかし、先日レビューしたKZ ZVXのように、KZ D-FIもDD一発らしからぬ音です。少し前なら、DDとBAを組み合わせたハイブリッドイヤホンでなければ出せなかった音です。素晴らしいイヤホンです。