読書

金もかからず、なんだかチョットだけ良い自分になったような気にさせてくれること、それが読書ではないかと思います。

『今日、ホームレスになった』15人のサラリーマン転落人生 読書

『今日、ホームレスになった』15人のサラリーマン転落人生

この本のサブタイトルは「15人のサラリーマン転落人生」となっていますが、取り上げられている中にはサラリーマンではない方にも取材されています。この本が書かれたのは平成中期で、丁度ITバブル崩壊や米国の同時多発テロの影響が尾を引いていた時期です。オフィス街で寿司屋を営んでいたすし職人、旅行代理店から独立…
『田舎教師』の舞台を巡る 日々是好日

『田舎教師』の舞台を巡る

田山花袋著 『田舎教師』 そろそろ正月の松もとれる1月5日から二泊三日で埼玉県の羽生市に宿を取りました。ここは年に数回は訪れる宿で、温泉施設が併設されたビジネスホテルとなっていて、ビジネスホテルの気軽さと温泉が楽しめるので、十年以上前から通っている宿です。恐らく通算で百回は宿泊していると思います。 …
田山花袋著『田舎教師』 読書

田山花袋著『田舎教師』

行田の実家を出て羽生の小学校に教師として赴任する若者、林清三の生涯を描いた作品です。嘗ては裕福だった家も零落し、貧困の中に兄弟を失い、周囲の者が進学の道を目指すなか、進学をあきらめる。清三は中学を出ると友人加藤郁治の父が郡視学であることを利用し、小学校教員の口を得る。しかし、いざ羽生の小学校に足を運…
風野真知雄著『奇策』 読書

風野真知雄著『奇策』

風野真知雄氏の『奇策』を読んでみました。副題「北の関ヶ原・福島城松川の合戦」の通り、関ヶ原の戦いで勝利を収めた徳川家康の勢いを借りて、西軍に加担していた上杉氏を伊達政宗が攻めた、松川の合戦を描いた作品です。本庄繁長は過去に上杉謙信を裏切ったこともあり、伊達政宗は密使を使い本庄繁長に伊達方への寝返りを…
『日本改歴事情』 読書

『日本改歴事情』

冲方丁著 『日本改暦事情』 本書は『天地明察』に関連した書籍です。特に、保井春美(算哲)が大和暦を作る経緯が書かれています。そして、何故、大和暦が短命に終わったかについての事情も書かれています。この辺りは、『天地明察』を読んでいて、疑問に思う部分でもありました。したがって、裏事情を知る意味でも、楽し…
『芸能人はなぜ干されるのか』 読書

『芸能人はなぜ干されるのか』

タイトルに惹かれて読んでみました。「そういえば最近見ないよね」といわれる芸能人の方というのは何となく頭にうかびます。そんな、いつの間にか見かけなくなった芸能人たちがマスコミから消えていく、その裏側で何が起きているのかを実名で暴露しています。 芸能の世界から干されていくその発端はギャラの取り分の低さや…
『自分は自分、バカはバカ』 読書

『自分は自分、バカはバカ』

過激な題名の本ですが、なかなかの良書ではないかと思います。 ”禿同”な箇所をいくつかピックアップしてみます。”SNSにあがっているのはあくまでも偶然生まれた「人生のキラキラした瞬間」””お金で買えるモノで、本当に幸福になることは、意外なほど少ないのですよ。””生活のレベルを上げて以前よりも幸せになっ…
『面白南極料理人』 読書

『面白南極料理人』

南極と言えばペンギンを連想するのですが、それは沿岸部でのこと。この本の舞台であるドーム基地(雪が降り積って出来上がったドーム状の山のてっぺんにあるからこう呼ばれるらしい)は、越冬隊の上陸地点である昭和基地から1000kmも内陸部に入った場所。雪上車に揺られること二十日。着いた場所は富士山よりも高い標…
『破獄』 読書

『破獄』

吉村昭氏の『破獄』です。モデルとなった人物は作品中では仮名となっていますが、ネットで検索すれば簡単に調べることができるでしょう。 戦前から戦後にかけて4回の脱獄を図った囚人の半生を追った作品です。監獄の過酷な環境や囚人に対する厳しい処罰に抵抗する主人公は、常人離れした身体能力と知能を駆使し、時には心…
『夏への扉』 読書

『夏への扉』

SFはあまり好きではないのですが、評判が良いので読んでみました。原作が書かれたのは1956年ですから60年も前の本です。その割にはそれほどの古さは感じられません。訳されたのは1963年ですから、使われている名詞は大分古臭く感じる部分が有ります。例えば家事用のロボットは文化女中器(ハイヤード・ガール)…