月: 2016年5月

『異類婚姻譚』 読書

『異類婚姻譚』

女優としても活躍していらっしゃる本谷有希子氏の作品で、芥川賞受賞作品である『異類婚姻譚』を読んでみました。芥川賞受賞作品で多くみられる、今風な言い方をすればファンタジーに分類される作品なのかも知れません。 結婚した主人公の日常を描いた作品なのですが、同じ集合住宅の別棟に住むキタエとの交流、似た者夫婦…
『ゼラール中尉』 読書

『ゼラール中尉』

菊池寛氏の代表作と言えば、『恩讐の彼方に』を一番に推します。一方、あまり知られていない作品がこの『ゼラール中尉』ではないでしょうか。非常に短い作品なのですが、どうもモヤモヤが残ります。 話はベルギーの都市、リエージュを舞台にしています。リエージュの砦を守る軍人の一人、ゼラール中尉は町で知らぬ人はいな…
『春宵十話』 読書

『春宵十話』

『春宵十話』という随筆集は、数学者の岡清氏によって書かれたものです。数学者でありながら、本書を始め何冊かの随筆集も上梓されており、また、本書でも書かれている通り、絵画や音楽にも造詣が深く、実に多彩な人であったようです。 岡氏は本書で度々人の動物化を憂いており、先ずは情操教育こそ重点的に行うべきである…
『堕落論』 読書

『堕落論』

坂口安吾氏の作品は、なんというか独特の世界観のようなものが有って、妙に身につまされる作品が多いです。誤解を恐れずに言えば、坂口安吾氏は、所謂文豪では無くどちらかと言えば落伍者に近かったのではないでしょうか。このあたりは、『白痴』や『黒田如水』といった著書に顕著に表れているように感じます。 さて、『堕…
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久しぶりに更新してみる

4月はとにかくやる事が沢山で忙しかった。その中でも一番大きなトピックは引っ越しだろう。何十年も住んだ家を抜け出して、引っ越すわけだからそれこそ沢山の荷物であふれかえっていて、これを整理して、恐らく使わないであろうものを捨てるだけでも大変な事でした。 一年間一度も使わなかったものは、次の一年も使わない…