読書

金もかからず、なんだかチョットだけ良い自分になったような気にさせてくれること、それが読書ではないかと思います。

『空中ブランコ』 読書

『空中ブランコ』

奥田英明著の『空中ブランコ』です。奥田氏の作品では、精神科医伊良部一郎シリーズで三木聡監督の手によって映画化された『イン・ザ・プール』の印象が強く、その続編でもある本作品を読んだのはいいのですが、どうにも映画『イン・ザ・プール』の印象が強く、特にマツオスズキ氏の演じる伊良部一郎の印象がどうにもぬぐい…
『星々の舟』 読書

『星々の舟』

村山由佳著の『星々の舟』を読みました。連作短編という形式の本なのでしょう。家族のそれぞれが問題を抱え、それに対してそれぞれの答えを出すといった内容です。 最初に登場する暁は、その章では答えを出さないのですが、重之の視点で描かれる最終章でしっかりと暁は答えを出します。そういった意味ではモヤモヤ感は無く…
『イニシエーション・ラブ』 読書

『イニシエーション・ラブ』

映画化されたから読んだというわけではないのですが、たまには流行りものを読んでみたいという事で、手に取ってみました。 書評では、結末にアッと驚く仕掛けがしてあると書かれていたのですが、最初に読了した時にはこの仕掛けがさっぱり解りませんでした。結局、ネタバレ解説ページを見てようやく仕掛けが解りました。確…
『皆月』 読書

『皆月』

久しぶりに花村氏の本を読んでみました。花村氏の本を読む度に思うのですが、実に余韻がいいです。 『皆月』に関しては、映画化もされていて、映画を先に観たのですが、原作の方がより細やかに描写されていて、映画の限界を感じます。そして、結末も微妙に異なっておりますが、結末に関しては映画と原作で甲乙つけがたいで…
藤田宜永氏著『老猿』 読書

藤田宜永氏著『老猿』

久々に藤田宜永氏の作品を読みました。私の知る藤田氏の作品らしい作品で、主人公と隣人そして居候の心模様が緻密に描かれています。舞台となった冬枯れの軽井沢も実に情緒的で、よく知られている避暑地としての軽井沢とは趣を異にしていて、物語にスパイスを添えています。静かな山荘に訪れる犯罪の足音を差し引いても憧れ…
『火山のふもとで』 読書

『火山のふもとで』

松家仁之著の『火山のふもとで』を読了しました。NHKのドキュメンタリー番組の最後でちらりと触れられたのを見たことがきっかけでこの本を手に取りました。確か、「魂が震える本」として評されていたように記憶しています。結局そのドキュメンタリー番組が放送されてから二年近く経過してからこの本を手にしました。 「…
宮本輝の『錦繍』 読書

宮本輝の『錦繍』

学生時代に読んだ本を今読み返しています。それこそ何十年ぶりに読むものですから、恥ずかしながら内容はすっかり忘れていまして、特徴的な韻を上手く使った冒頭部分だけはおぼえていたのですが、その他はさっぱりでした。 忘れていたという事は、それだけ印象が薄かったという事かも知れません。当時かぶれていたジョージ…
『ひとりぼっちを笑うな』 読書

『ひとりぼっちを笑うな』

タレント本は、あまり手に取らない方で、これまでも数えるほどしか読んだことは無かったのですが、電子書籍版が期間限定で60%オフになっていましたので買ってみました。 恐らく、ライターの方とインタビュー形式で取材したものを編集した物と思います。恐らく蛭子さんは著者というよりも語り部であるわけですね。ただ、…
『シンデレラティース』とホ・・ 読書

『シンデレラティース』とホ・・

覆面作家の伊藤司氏の姉妹作、『シンデレラティース』と『ホテルジューシー』ですが、恐らく作者の仕掛けたちょっとしたいたずらなのかもしれませんが、結末に微妙な齟齬があります。そして、ホテルジューシーの装丁に関しては、文庫化されたときに『シンデレラティース』とテイストを合わせたためでしょう、ホテルとポーク…
年越しハードボイルド『テロリストのパラソル』 読書

年越しハードボイルド『テロリストのパラソル』

今年の年明けは、何年かぶりに自宅で迎えました。景気回復なのか、円安で海外旅行を倦厭したのか、日本の観光地は何処も一杯で、どこも予約が取れなかったので、自宅での年越しとなりました。 ということで、年末は新しく手に入れたサーバを弄る日々だったのですが、サーバ弄りに飽きると読書という日々でした。だらだらと…