『夜間飛行』 読書

『夜間飛行』

『星の王子様』作者であるサン=テグジュペリの作品、『夜間飛行』を読みました。 『星の王子様』はまえがきにもあるとおり、子供向けに書かれたものですが、実はものすごく深い内容です。何度読んでも新しい発見がある本です。登場する人々はそれぞれに憂いや悲しみ、時にいわれのない義務を背負っていたりします。見方に…
『恩を返す話』 読書

『恩を返す話』

菊池寛氏の短編『恩を返す話』です。 時は戦国の世、合戦で危うく切り殺されそうになったところをライバルの武将に助けられます。助けられた方はいつまでも助けられたことを負い目に感じ、いつの日かこの恩を返そうと躍起になるのですが、なかなかその日はやってきません。そしてある日、ライバルの武将を切るよう言いつけ…
『芋粥』 読書

『芋粥』

芥川龍之介氏の作品『芋粥』です。 風采の上がらない五位(恐らく官職なのでしょうが、恥ずかしながらどの程度の職位なのか解りません。話の筋からすると、下から二つとか三つめと思われます。)が、芋粥が食べたいとポロリと漏らすの聞きとめた者から、大量の芋粥を振舞われるのですが、余りにも大量な芋粥を目にした途端…
『お金の取り扱い説明書』 読書

『お金の取り扱い説明書』

この手の本はそれこそ五万と有ります。それらの中から、目立つものだけを拾い読みしてみたのですが、書いてあることはどれも同じと言ってよいでしょう。数年前に大ベストセラーとなった『ザ・シークレット』もアプローチは異なるものの、書いてあることは大筋一緒です。これらの著者のプロフィールを見るとおぼろげながら見…
立ち読みしなさい 読書

立ち読みしなさい

苫米地英人先生の異色の著書です。なんと一部は漫画です。先生の他の著作と比較して全く異色なのですが、先生の他の著作と照らし合わせて全くぶれていません。確かに表現は他の著作と比較して平易なのですが全くぶれていません。見事です。 先生の著作は造語も多いですし、医学用語や量子論も引用されており、最初はなかな…
『東京バンドワゴン』 読書

『東京バンドワゴン』

昭和の香りのする小説です。連作短編形式で、古本屋を営む大家族が繰り広げるドタバタ劇です。何となく昔のテレビドラマ『寺内貫太郎一家』を髣髴とさせる内容です。 今でこそ核家族化が進んで、3世代以上が一件の家に同居することが珍しくなりました。しかし、私もそうでしたが、昭和の家というのは3世代、時には4世代…
『虹の岬の喫茶店』 読書

『虹の岬の喫茶店』

連作短編の形式の本です。季節ごとに一つの章が割かれており、春から始まり、翌年の夏までの6つの章からなります。映画化もされている本です。 この本を手に取り、日曜の朝行きつけの店で、朝食を摂りながらこの本を読み始めたのですがヤバかったです。最初の「アメイジング・グレース」が本当にマズかったです。主人公を…
『流』 読書

『流』

東山彰良氏の直木賞受賞作品『流』を手に取ってみました。台湾、中国と少しだけ日本が舞台となっている作品です。登場人物の名前がすべて中国名なのでなかなか登場人物がすっと頭に入ってきませんでした。主人公の秋生とその恋人の毛毛は登場回数が多いので頭に刷り込まれるのですが、同じ人物が異なった呼ばれ方をする場合…
物事の見方と悪事の排除の方法 日々是好日

物事の見方と悪事の排除の方法

帯久という落語の演目があります。篤志家の泉屋与兵衛の元に金を借りに来る隣町の帯屋久七。与兵衛はそんな久七に金を貸し、御膳でもてなします。久七はそれに恩義を感じ、期日までにきちんと金を返す。そしてまた金を借り、金を返すというやりとりがしばらく続きます。 師走の多忙な時期に久七は与兵衛を訪ね100両の借…
監視という名の盗聴 日々是好日

監視という名の盗聴

ツィッターで、「どこそこの映画館に爆弾を仕掛けた」とつぶやいた人が捕まったというニュースを見かけました。そんな物騒な事柄を公衆の面前でつぶやくことは迷惑行為なので犯罪者として拘束するというのは解らないでもありません。 しかし、捕まえる前に「おい!あれ本当か?」というリプライが有っても良いのかなと思い…