つゆのあとさき

永井荷風著『つゆのあとさき』 読書

永井荷風著『つゆのあとさき』

永井荷風氏といえば風変わりな遊び人というイメージですが、これは恐らく『墨東奇譚』の印象によるものでしょう。この作品『つゆのあとさき』の主人公は君子という羞恥や貞操という考えのないカフェーの女給です。この作品が書かれたのは昭和6年ですから、日中戦争前のわりと平和な時代だったのでしょう。 君子の周りに集…