そういう時代じゃない

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自動二輪の売り上げ減少に歯止めが掛からない状況とか。
自動二輪は競い合うように高出力化を進め、市販車の性能は一昔前のレース用車両と変わらない程にまで向上しました。しかし、レース用の車を一般公道で乗って楽しいはずも無く、その結果として売り上げが落ちているとメーカー自身が評価を下しています。そして、「そういう時代じゃない」と言う言葉で締めくくっていました。
良くわかります。一昔前のオーディオ機器がそんな風でした。測定器で測った数値を強調し、ノイズが少ないとかひずみが少ないとか、到底人間には感じ取ることが出来ないほどの微小な違いを追い求める事しか出来なくなってしまいました。感じ取ることさえ出来ない微小な違いを追い求めた結果、大きく重く高価になったオーディオ機器には誰も関心を示さなくなりました。
昔、腕時計はどれだけ沢山の宝石を使うかを競っていた時期がありました。末期には100個もの宝石を使った腕時計が作られました。本来、磨耗による機械の劣化を防ぐ為に、軸受けや歯車の先端部分に宝石を使ったのですが、最後には自動巻の分銅にまで宝石を埋め込みました。しかし、その頃には電池で動く腕時計が登場しはじめ、やがて宝石の数を競う時代は過ぎ去りました。
そういう時代じゃない。次は何が時代の隙間に置き去りにされるのでしょうか。