『南極大陸』が終わりました

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日曜劇場、『南極大陸』が終わりました。豪華なキャスティングと全体を通して緊張感のある脚本で、非常に楽しめるドラマでした。
題材となった事の次第は日本人だったら誰でも知っていて、樺太犬のタロとジロが奇跡的に生還を果たす結末も、誰でも知っています。そんな、誰でも知っている話でも見入ってしまうのは、多くの人の琴線に触れる物語だからでしょう。そしてのその映像も実にリアルでした。それもそのはずです、恐らく、東京に在住の人だったら解ったと思うのですが、ロケ地として青海に繋留保存されている南極観測船宗谷の実物が随所で使われていました。その他、上野の国立博物館と、そのお隣の国立科学博物館もロケに使われていました。奇しくも、南極から奇跡の生還を果たしたタロとジロは、剥製となって国立科学博物館に展示されています。さすがは国立の機関です、保存状態は素晴らしく、まるで生きていたそのままのような状態が維持されています。
そんな国立科学博物館ですが、独立行政法人化され、国からの助成金は大幅に削減されています。知の源である場が、削減の対象となっているのでは、この国の将来は明るくないと思うのは私だけではないでしょう。
以前、中国の深蝨ウにある博物館に足を踏み入れたことがあります。そこは、上野の博物館とは比べ物にならないほどみすぼらしいものでした。展示されている剥製は悉く変色し、虫食いだらけでした。そのみすぼらしい姿からは、野生で躍動する動物たちの姿を想像することは不可能です。そして、このひどい展示物を見て育つ子供たちは如何に不幸なことでしょうか。そんな不幸な子供たちを作らないためにも、知の源にはもっと予算を割いたほうが良いと思います。
『南極大陸』の最終回を見ながら、ふと、そんなことを考えていました。