久しぶりに行ってみました

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ここ二年ばかり訳あって行っていませんでしたが、久しぶりに国立博物館に足を運んでみました。ここは随分と好きな場所で、特に特別展をやっていない時の閑散とした感じが好きです。収蔵物は11万点に上り、頻繁に展示替えも行われているのですが、全てを見るのには何十年も掛かることでしょう。国宝に指定されているような物や、教科書に載っているような貴重な展示物を目の前で見ることが出来るのは、ある種の感動を覚えます。ここ国立博物館の本館は重要文化財に指定されていています。器も中身も重要文化財や国宝で満たされているわけです。

沢山のギャラリーがありますが、その中でも法隆寺宝物館は格別です。あまりにも重要で繊細な展示物がおさめられている為、私が小学生のころは、晴れた木曜日の午前中しか入場が許されませんでしたが、現在は休館日以外は入場できます。そんな法隆寺宝物館の一階には嘗て貴族が法隆寺に寄進した菩薩立像が展示されています。文化財保護のため、ぎりぎりまで落とされた照明にぼんやりと照らされた沢山の菩薩立像の立ち並ぶ光景は圧巻です。丁度良い位置にベンチが置かれていて、これに座って小一時間仏像を眺めるのは、なんとも現実離れした時間であります。

私自身、美術品の類を愛でるような高尚な人間ではないことは百も承知ですが、千年以上もじっと立ち続けてきた小さく稚拙な仏像群の醸す何かには圧倒されます。