予兆
2012年3月22日
2021年12月15日
先の大震災からの復興を見ていると、地域による温度差を非常に感じます。大きな被害を受けた東北地方は日本の製造業を支える一大生産拠点だったわけで、特に自動車業界では製造打ち切りになった車種がありました。しかし、一年を経ずして、モデルチェンジが行われ、生産は再開されました。そして、薄型テレビに関しては、品物のだぶつきが問題視される始末です。
工業生産品については震災前の生産能力に戻ったといえるでしょう。産業を支える電力についても、一時の計画停電が嘘のようで、夏場の電力需要については懸念が残るものの、節電の努力と休眠していた発電設備の再稼動によって表面上の電力供給は問題ないように見えます。
その一方で、数々の批判を浴びている野田政権の中で、安曇財務大臣は密かに円高の是正に努め、通貨はひとまずの安定を見せています。そして、長期金利は歴史的な低水準であり、設備投資にはまたとないチャンスが訪れています。
実際のところ、DIの先行指数と一致指数は高い水準にあり、企業側の意欲が伺われます。
さて、80年代後半に始まったバブル景気については様々な分析がありますが、1984年の日経平均株価一万円超えが号砲となったと捕らえる向きも多いと聞きます。いま、丁度日経平均が一万円超えが定常化し、まさしくバブル再来の号砲ではないかと思います。「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」という格言がありますが、今はまさしく悲観から懐疑に移りつつある瞬間ではないかと思います。