別れ行く者

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今日、野田総理大臣が講演の中でTPPをビートルズに例えていました。恐らくTPPを成立させるには、メンバーとなる国が互いに手を取り合って向かわなければならないという事を言いたかったのだと想像します。
しかし、ビートルズは結局ジョンとポールの確執により解散してしまいました。そして再結成される事はありませんでした。そんな末期的な状況の中で生まれた曲が「Let it be」でした。哀愁に満ちた名曲です。ビートルズに限らずバンドというものはいつか解散するものです。その理由は様々ですが、結局は指向の違いに集約されるのではないでしょうか。そもそも人というのはそれぞれで、生い立ちも考え方も異なるわけで、結束を維持するための強力な動機付けが無ければいつか分解するのは明白なのです。
奥田民生率いるユニコーンも例外ではなく、解散するのですが、解散直前に発表した曲が「すばらしい日々」です。別れ行く男女を歌ったものですが、奥田の元を去ってゆくメンバーの西川幸一に向けたメッセージとも言われています。
「僕らは離れ離れ、たまに会っても話題が無い」とはじまり、「君は僕を忘れるから、そうすればもうすぐに君に会いに行ける」で結ばれているこの曲のとおり、後年ユニコーンは再結成されました。
さて、三月は別れの季節です。沢山の別れがあり、そして同じ数かそれ以上の出会いがあることでしょう。別れた者どうしも何時か時の経過とともに蟠りを解き、新たに出会って欲しいものです。一緒に過ごした「すばらしい日々」だけは忘れずに。