忘年会で拉致られて
何処も一緒と言うことは無くて、会社によって程度の差はあるのですが、IT業界と言うのは一般的に成果主義が貫かれています。アウトプットさえ出していれば勤務態度や社員間のコミュニケーションは二の次である場合が多いです。逆に、プロセスや家族主義的な社風を重視してしまうと、どうしてもアウトプットの量は減ってしまうわけで、これが成果主義に徹する事の出来ないIT企業が一様に業績の低い理由です。
そんな風な業界ですから、社員同士の円滑なコミュニケーションを図ろうとして色々なイベントを開催しても、恐ろしいほどに参加者が少ない事があります。例えば研修と言う名の社員旅行は海外で行うケースが多いのですが、海外であればドタキャンや辞退が少ないであろうという思惑が入っています。しかし、実際に行ってみると、現地での観光ツアーの参加者は少なく、大半の者が現地で勝手に自由行動をしていたなんていうこともありました。
海外の研修旅行ですらこんな状況ですから、忘年会などは二~三割の出席者しかいないことはざらです。そんな中、一計を案じた忘年会実行委員がおりました。彼の案は、会社の前に観光バスをずらりと横付けし、玄関を出る社員を半ば強制的にバスに押し込みました。そしてオフィス内では追い出し係がいて、強制的に追い出しをしました。この会は珍しく九割以上の出席が得られました。
さて、話変わりまして、4月29日に発生したバス事故を受けて、賠償責任をバス会社だけ負わせる現在の法を改正し、企画募集した旅行会社にも賠償責任を負わせるよう法改正する案が浮上しています。しかし、冒頭の拉致専用バスのように旅行会社を通じることなく、直接チャーターするバスもありますので、賠償責任を分散させるべきではないと思います。様々なシーンを想定した場合、責任の所在は一箇所に集中すべきと思います。