右か左か

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朝の通勤時間帯は皆さん先を急がれているためでしょうか、やや殺気立った気配が窺えます。混雑した駅の階段周りは大袈裟に言えば一触即発の雰囲気です。多くの駅では何となく動線は出来上がっているのですが、混み具合によっては、そんな動線を逸脱した行動を取られる方もいますが、それも致し方ないのでしょう。一応駅ごとに右側通行左側通行が決められているのですが、これが駅によってまちまちですし、大きな駅になりますと時間帯によって右側通行左側通行が変わる場合もあって、慣れていない者はかなり混乱します。一応道路交通法では人は右側、自動車は左側と決まっていますが、人に関しては流れを乱すこと無いように歩くのがスマートなのでしょう。
ただ、多くの駅では左側通行が多いように感じます。そして、実際道を歩く人も左側を歩いている方が少なくありません。
時を遡って、刀を腰に下げたお侍さんが町を歩いていた時期は、お侍さんは厳格に左側通行を守っていたようです。これには理由があって、左側の腰に刀を下げたお侍さんがすれ違うとき、右側通行をすると刀の鞘と鞘が当たる可能性が高くなるため、鞘が触れ合わないように左側通行が厳格に守られていたそうです。時代によっては鞘と鞘が触れあう鞘当は切り捨て御免であったそうです。そのくらい刀と言うのは大切なもので、作法を重んじる侍は間違いなく左側通行だったようです。
そんなに大切な刀ですから、さぞ価値があるものだろうと思うので、刀がどの程度の価格なのか聞いてみたところ、現在観賞用に作られている本身の刀の場合、安くても数百万円、高いものですと億に手の届くものも有るようです。これは、お侍さんのいた時代でも同じで、浪人中の下級武士が背に腹は代えられずに刀を売り、数年間生活できたと言うことです。
今で言えば高級外車一台分と言うところでしょうか。そんな高価なものですから大切にするわけですね。