さすがに安倍首相は公約を反故にするようなことはなく、聖域をなき関税撤廃にはならないようなので、TPP交渉参加ということらしいです。米国側の意向である自動車への関税は撤廃しない旨の発言を引き出したのは非常に大きな成果ではないかと思います。とはいっても、発言力の小さな農業がTPPのマイナスの影響を受けてしまうのは明らかなことで、やはり米国主導で進められるTPP交渉の席に着くことは良いことではありません。

確かに農業分野に関しての関税を残すことで国内農業を保護する道筋はあるのでしょうが、聖域を設けすぎてしまうと結局はTPP事態が骨抜きになってしまう可能性もあり、そもそもTPPの趣旨に反することを忘れてはなりません。一般にはあまり知られていないことですが、自動車や電子部品に関しては現時点で輸入関税は無くなっています。また、一回の輸入額が一定金額以下の場合には輸入関税は免除されます。TPP批准によって、さも一般庶民が恩恵を受けるように見せかけていますが、TPPによって恩恵を受けるのはほんの一握りの輸出関連業者だけであり、一般庶民は現在でも関税を免れることができることに注意を払わなければなりません。