『ハダカの美奈子』の電子書籍版が出ましたので興味本位で買ってしまいました。

一言でいえば面白かった。最後の方にある子供たちへの手紙は泣かせますね。どこまでが事実で、どこまでが脚色なのかわかりませんが、そんなことを気にせずに、純粋に読み物としてよくできています。おそらく、著者にたいするインタビューを元に手練れのライターが校正したのでしょう。章立てもしっかりしています。家事に追われる主婦が書ける内容ではなくて、かなり訓練された人の手によって構成されたものでしょう。推敲が繰り返されたもの特有の読みやすさがあります。

一部では、この本のドラマ化がうわさされているようですが、十分成り立つでしょうね。ただ、随分とプライベートなことが書かれていますので、子供たちが変な目で見られないとよいですね。

この手の本はあまり食指が伸びないのですが、淡々と生い立ちや身の回りの変化が書かれていて、押しつけも弁解も説教もないさりげなさが実に気持ちいいです。反論は多いと思いますが、私は名著だとおもいます。