起こるべくして起きた事故

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charenger技術者の倫理に関する書籍にスペースシャトルチャレンジャー号の事故が事例として挙げられていました。

不幸な偶然が重なって起きた事故とばかり思っていたのですが、実は起こるべくして起きた事故であることが述べられていました。固体燃料ブースターに使われるOリングという部品が気温が低い場合に弾性を失い、可燃性ガスが外部に漏れる可能性をブースター製造業者チオコール社は知っていたのです。ガス漏れを起こす温度も度重なる試験で判明しており、気温11.7°c以下での打ち上げは中止すべきであることをメーカーは知っていたのです。チャレンジャー打ち上げの日の気温はマイナス3.3°cで極めて危険な状態であったことはメーカー内では周知の事実でした。

チャレンジャーの事故だけにとどまらず、予期されていた事故、起こるべくして起きた事故というのは少なくありません。jcoの臨界事故も規制当局の承認を得ていない方法で作業を行ったために起きた事故でした。笹子トンネルの事故も定められた検査を行っていなかったために起きた事故です。

ルールは運用してこそルールで、理由があるからルールがそこにあるのです。