「こだわって」はいけない - ソニーの無配転落に思う
ソニーが大幅な赤字を出して、初の無配となるそうです。
主な理由はスマートフォンの売り上げ落ち込みが主となっているようです。スマートフォンに関して、特に低価格の商品については、既に一般商品化されており、中国やインドでは40ドル程度のスマートフォンが実際に販売されています。私自身も、40ドル~150ドル程度で販売されているスマートホンをいくつか入手して使ってみましたが、電話機の本分である通話に関しては実用水準です。また、ウェブブラウジングやメールの送受信も全く問題ありません。確かに、一部の機種ではロケールの問題が有りますが、これとて初期設定だけの問題です。
中国製スマートフォンで150ドル近辺で販売されているものについては、OGS,IPS液晶は当然のように採用されていますし、アウトカメラについても1000万画素を超えるイメージセンサーが当たり前に搭載されています。つまり、普通に使うのならば150ドル程度のスマートホンで十分ですし、お金が無ければ40ドル程度のものでも不自由は無いでしょう。
勿論、中国製でもLTEを搭載したモデルは200ドルオーバーで販売されていますが、それとて、3Gだけでもあまり困らない方が大半ではないでしょうか。一説では中国では400を超えるスマートホンメーカーが有るようです。そんな市場に対し、数社しかない日本のスマートホンメーカーがまともに戦えるとは思えません。ソニーの赤字は当然の結果だと思いますし、スマートホン事業の縮小は英断だとはおもいます。
【世は安物を求めているのか?】
確かに安いものは買いやすいです。だから、安くさえすれば売れるのか?これは少し違うと思います。持論ですが、世はシンプルなものを求めているのだと思います。スマートホンに関しては、パソコンと同様、カスタマイズして使うのが当たり前で、カスタマイズの妨げになるようなメーカー独自のアレンジは寧ろ邪魔です。そもそもアンドロイドというOSが既に完成されたものであり、ベースは独自のアレンジは加えてほしくないという者は少なくないと思います。
【こだわってはいけない】
ソニーの平井社長は会見の席で「こだわり」という言葉を使ったそうですが、そもそも「こだわり」というのは、小さなことに拘泥することであって、技術を売り物にする者がつかう言葉ではありません。「信念」や「情熱」を製品にそそぐのは結構ですが、「こだわる」べきではないのです。客の立場からすれば勝手な「こたわり」にお金は払いたくないですから。