秋の夜長に『ミッドナイト・バス』

Spread the love

51t6l85LsnL._SL200_秋の夜長に伊吹有喜著の『ミッドナイト・バス』を読んでみました。ミッドナイト・バス、言い換えるなら深夜バスですね。列車に比較して低廉な料金で、寝ている間に目的地に連れて行ってくれる深夜バスはなかなか便利なのですが、個人的にはちょっと苦手です。低廉な料金という事も手伝ってか、乗客の質もそれなり、サービスの質もそれなりで、あまりいい思いをしたことはありません。

さて、個人的な深夜バスの感想はここまでとして、『ミッドナイト・バス』ですが、さすが直木賞候補になった作品だけあって、なかなかの力作です。特に主人公は私と同年代という事も有ってか、自分自身との共通点も少なくなく、感情移入せずにはいられない作品です。そして、なによりも物語の余韻が実によいです。読了後作者の伊吹有喜氏にメールを送ったところ、丁寧なお返事を頂き、大変うれしく思いました。さすが、文章を紡ぐことを生業としている方だけあって、暖かさと清々しさを併せ持ったお返事でした。