鬼畜
2014年11月28日
2021年12月15日
松本清張氏の作品は専ら映画で観るだけで、原作を読んだことが有りませんでした。秋の夜長という事もあって、初めて映画『鬼畜』の原作となった同名短編を読んでみました。
通常、映画というものは原作よりも劣るものと盲信していたのですが、『鬼畜』に関しては映画が原作を超えている数少ない作品ではないでしょうか。映画では、原作に無い警察署での婦警さんと利一のやり取りで大分救われています。
良く知られた話ですが、実はこの『鬼畜』は実話です。実際に犯行が行われたN市は沼津市の事です。映画では能登半島に置き換えられていますが。
さて、このような事件ものは実際に起きた事件を元に書かれている物が多く、最近では、黒川博行しの『後妻業』が実話であることは作者自身が語っており、また、最近世間をにぎわせている事件が『後妻行』に酷似していると言われています。また、『黒い家』もとある事件に酷似していると言われています。
「事実は小説より奇なり」とは言われますが、世の小説が事件を元にしているとなれば、そのとおりなのでしょう。