『イニシエーション・ラブ』
2015年3月30日
2021年12月14日
映画化されたから読んだというわけではないのですが、たまには流行りものを読んでみたいという事で、手に取ってみました。
書評では、結末にアッと驚く仕掛けがしてあると書かれていたのですが、最初に読了した時にはこの仕掛けがさっぱり解りませんでした。結局、ネタバレ解説ページを見てようやく仕掛けが解りました。確かに、SideBに入ってから少しづつ違和感を感じていたんですが、これが結末に向けての伏線だった訳ですね。その仕掛けをここに書くことは反則だと思いますので書きませんが、正直、いろんな方が絶賛しているほどには面白く感じませんでした。(勿論、個人的な感想ですよ。)
この手の小説が正直苦手という事も有るのでしょうが、人物描写の浅さが読みやすさにつながってはいるのでしょうが、物語自体の余韻までも浅くさりげなく去ってしまうように思えます。この本を気に入っている方、作者には大変失礼なのですが、出来の悪いポルノ小説のように感じてしまいました。
さて、この小説が堤監督の手によってどのような映画に仕上がったのでしょうか。映像化にあたっては、サイドストーリーをてんこ盛りに盛り込まないと破たんしてしまうように感じます。そもそも”僕”は松田翔太じゃないよね。そして”マユ”も前田敦子じゃ、あまりにもストレートすぎると思いますよ。もっと裏に何かを隠してそうな、狡猾さがにじみ出たような人でないとね。