『南方郵便機』

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南方郵便機サン=テグジュペリ氏の作品は、文法的にかなり高度で、翻訳が難しいという噂を耳にしたことがあります。代表作である『星の王子様』に関しては多くの翻訳本が出ていますが、中には誤訳を含んでいるものも有るらしいです。

今回手に取りました『南方郵便機』は、サン=テグジュベリ氏29歳の時の作品で、作家としてのキャリアが短い時に作られた作品という作品も有るのかも知れませんが、翻訳もあまり上等とは言えないのかもしれません。極めて読みにくい作品です。テイストとしては、『夜間飛行』に似ているのですが、とにかく読みにくい作品でした。

話はヨーロッパとアフリカを結ぶ郵便飛行機乗りの話と彼らが引き起こす駆け落ちの行く末を描いたもので、恐らくは作者の実体験に基づくものではないかとおもいます。作者自身、常に愛人に囲まれる生活を送っていたとの証言も残っています。また、『夜間飛行』と同じく主人公である飛行士ベルニスは最後に砂漠に墜落し命をうしないます。

正直なところ、私の好きな作品ではありません。