今年の正月は

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51ENhJArtYL今年の正月休みは、近所に散歩する以外はほとんど家にいました。ここ数年では珍しく家族揃っての正月休みでした。少し恥ずかしいのですが、家族と過ごす正月はこれに勝るものを知らぬほど良いものでした。数年前に、正月を旅先で過ごした事も有り、これも家族と一緒という意味では良いものでした。恥ずかしながら、この齢にしてようやく家族のありがたみを知った思いです。

そんな正月休みですから、特にこれと言ってすることもなく、暇に飽かせて大作映画を見ようと思い立ちました。そして手に取ったのが『アラビアのロレンス』です。1962年の制作ですから、半世紀前の作品です。一度はテレビ放映用に編集された短縮版しか存在しない状態でしたが、デビット・リーン監督自身の手により散逸したネガを集め、失われた音声トラックを出演者自身によるアフレコで補い修復されました。今回見たものは修復されたものです。全編207分。三時間を超える大作です。

話は、主人公であるイギリス軍将校トーマス・エドワード・ロレンスが特命を受け、アラブで反乱軍を組織し、アラブを統治していたオスマン帝国からアラブの地を奪還し、アラブの統一と独立を図るのですが、あと一歩の所で英国とフランスの二国間で交わされた条約により、一度は約束された統一と独立は反故になり、アラブの地はまたもや分断され、植民地に甘んじる事になります。アラブに尽くしたロレンスは失意のまま英国に帰る事になります。

実際、T.E.ロレンスは、イギリスでは英雄ですが、アラブでは裏切り者として見られています。

ディテールはともかく、この映画は概ね事実に即したものです。現在も燻りを見せているパレスチナ問題もこの時に端を発していると言えるでしょう。こういった時代背景も頭に置きながら見る映画というのは良いものです。『アラビアのロレンス』も然りですが、1960年代の映画というのは素晴らしく良いものです。他にも『グランプリ』『ドクトル・ジバゴ』あたりが好きですね。

さて、年があらたまってあっという間に町は日常に戻りました。たった数日前までの年始の何とも嫋やかな日々は何処かへ消え去ってしまいました。願わくば今年は「まほろか」でありたいと思います。「まほろか」とは理想的なとか素晴らしいという意味が有るのですが、私は少し違った解釈をしていて、「思うまま」と解釈しています。万事如意、そして「まほろか」に在れ。これが今年の願いであり目標です。