『異類婚姻譚』

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女優として異類婚姻譚も活躍していらっしゃる本谷有希子氏の作品で、芥川賞受賞作品である『異類婚姻譚』を読んでみました。芥川賞受賞作品で多くみられる、今風な言い方をすればファンタジーに分類される作品なのかも知れません。

結婚した主人公の日常を描いた作品なのですが、同じ集合住宅の別棟に住むキタエとの交流、似た者夫婦をめぐる話、そして飼い猫を山に捨てに行く話、最後は『異類婚姻譚』の題名のとおり、実は夫が花に化身してしまう話が盛り込まれています。ファンタジーノベルとしては緊張感も有り、全てのエピソードできちんと結末が明かされており、そういった意味ではモヤモヤ感のない非常にすっきりとした作品と思います。同書には、『犬たち』『藁の夫』等の短編も収録されています。特に『犬たち』は非常に良くできた作品です。見知らぬ場所で犬に囲まれて暮らす主人公。犬に注意せよとビラを撒く町の人たち。そして最後に主人公は・・・。非常に良くできた作品と思います。『犬たち』は映像化したら面白い作品になりそうですね。」

全体を通じ、ファンタジー色が強い作品を収めた本ですが恐らく読んだ人の評価は大きく別れると思います。荒唐無稽なおとぎ話を楽しめるか否かが鍵でしょうね。そういった意味では、ある程度あらすじを知ったうえで読むと良いかも知れません。