『日本改歴事情』

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『天地明察』と併せて読みたい『日本改暦事情』
冲方丁著 『日本改暦事情』

本書は『天地明察』に関連した書籍です。特に、保井春美(算哲)が大和暦を作る経緯が書かれています。そして、何故、大和暦が短命に終わったかについての事情も書かれています。この辺りは、『天地明察』を読んでいて、疑問に思う部分でもありました。したがって、裏事情を知る意味でも、楽しめる内容です。

『天地明察』では、棋士、保井算哲と本因坊の対決にかなりのページが割かれています。そのためエンターテイメント性が高い作品になっていました。そして、映像化もされています。しかし、『日本改暦事情』は、高遠藩の保科正之の後ろ盾を得る経緯が中心です。改暦に奔走する保井春海の姿を中心として描かれています。そして、なぜ一介のお抱え棋士が改暦という大事業を成し得たかがより詳細に書かれています。これらは、何となく疑問に思っていた部分でいた。しかし、この『日本改暦事情』を読んで、モヤモヤがスッキリ解消されました。『天地明察』の”後”に読むべき作品ではないかと思います。