激安Dクラスアンプモジュールがさらに安くなっていた

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以前購入したDクラスアンプモジュールが、激安に磨きをかけて売られていました。前回購入した時が27円でしたがAliexpressを定期巡回していたら17円で売られているのを発見しました。

前回、入出力と電源ケーブルをはんだ付けして使用しましたが、気に入って毎日のように使用しています。音も気に入っていますが、消費電力が少ないのも気に入っています。小さなモバイルバッテリーで一日たっぷり動いてくれます。そして、さすが効率の良いDクラスアンプ、発熱は感じられないほど少ないです。

そもそも、このアンプモジュールで使われているICの値段はいくらなのか、大手の部品商Digikeyさんで調べてみました。その価格、1個108円也。こういった部品は数をまとめて買うと安くなるのですが、1000個買っても1個あたり45円です。このアンプモジュールを作っているメーカーさん、いったい何個仕入れたのでしょう。恐らく数万個、場合によっては十万個単位で購入しているのかも知れません。こういった大量生産はすっかり中国企業のお家芸になってしまったようです。

Digikeyさんの発注ページ

100円ショップで売られている品物のほとんどは中国製ですし、いま私が使っているPCも中国で製造されたものです。スマホも中国製ですし、風呂場で使う安全カミソリも中国製です。ここまで中国製品が横溢している現状を見ると何となく気持ち悪い感じにはなります。しかし1個17円のオーディオアンプを数万個数十万個作って売りさばく博打のような商売ができる企業が日本にあるのでしょうか。恐らくないでしょう。

二十年ほど前のことですが、中国の企業さんにお願いして製品の製造をしたことがあります。満足できる品質の商品はなかなか出来ずに、中国の工場に出向いて毎日のように改良を重ねました。そんなある日、金型の温度管理が悪く、金型に亀裂が入ってしまいました。金型に造詣のある方も日本から同行していたのですが、修理には数週間から一ヵ月ほどかかるだろうとの見立てでした。ところが驚くことに明朝には金型は修復され、生産が再開されていました。中国には腕の良い職人さんがいるものだと驚きながらも安堵しました。

そして電子回路の製造ラインも視察しました。機械で取り付けることのできない部品は一つ一つ手作業で取り付けるのですが、この作業をしていた若い作業員さんの手際が恐ろしく良いのです。数ミリしかない小さな部品をはんだごての先で取り上げ、そのまま基板の上に乗せて、あっという間に部品のはんだ付けの完了です。

恐ろしく手際のよいはんだ付け作業員
基板の検査工程 若い作業員さんばかりでした

正直中国の製品は安かろう悪かろうという印象をそれまで持っていましたが、作業者の熟練度の高さや、使用されている機材の充実ぶりには目を見張りました。わずかな期間ではありましたが中国でのビジネスを経験してから、早晩この国が覇者になるだろうと感じていましたが、その予感は見事に的中しました。腕の良い作業員、ピカピカの製造装置、積極的にリスクをとる経営者たち、そして国を挙げて彼らをバックアップした中国という国に拍手。