西友by楽天本格始動?

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今年2020年はいろいろと変化がありそうな予感がします。例の病気の影響がなくなり、通常のマインドに戻るのはずっと先のことになりそうです。しかし一方で在宅需要の高まりによって業績好調な西友は再上場を目指す方針を掲げているようです。その最初のステップが合同会社から株式会社への登記変更でしょう。そして、楽天とKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ/英: Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P. / KKR & Co. Inc.)連合の出資を受けて、しばらく表面上の動きはありませんでしたが、ここにきて、先ずはクレディセゾンとの提携終了がアナウンスされました。併せてウォルマートカードセゾンによる割引の廃止もアナウンスされ、ウォルマートカードセゾンの割引が終了すると同時に楽天会員向けの新しいプログラムが開始される旨も発表されています。

楽天会員向けのプログラムの詳細は今のところ不明ですが、恐らく西友ネットスーパーで行われている2%の割引が基準になると思います。

一方、提携解除となるクレディセゾン側では、ウォルマートカードセゾンのカードホルダーに向けて、年会費無料のアメリカンエクスプレス・ゴールドカードを発行して、会員の流出を防ぐ措置をとるようです。これに関して、ウォルマートカードセゾンのカードホルダーにハガキが届きました。

西友での割引サービス終了に関するハガキ

私の知るところでは、最初に年会費無料のゴールドカードを発行したのはイオンクレジットだったと思います。次にエポスカードが続きました。今後、無料のゴールドカードの発行はさらに増えるのではないかと思います。なぜなら、一般カードに比較してゴールドカードの方がカード会社が受け取る手数料(インターチェンジフィーとかIRFと呼ばれます)が高いからです。

さすがに高額の旅行保険やコンシェルジェサービスなどのお金のかかるサービスは省かれていますが、大多数のクレジットカード利用者は旅行保険を求償することは無いでしょうし、コンシェルジェサービスも使わないでしょう。そして、カード会社が取るべきリスクも限度額を低くすることで軽減できます。

しかし、見た目だけは金色で中身は一般カードと大差ないクレジットカードは、一部少数の見た目重視の利用者にとってはステータスに感じることでしょう。

年会費永年無料のゴールドカードはサービス面は一般カードとほとんどかわりません

さて、西友さんですが、会社概要を見ると出資比率が20%しかない楽天から2名の役員が送り込まれています。KKRさんと楽天の密接な関係が想像できます。そういえば、西友の店舗からいつの間にかPayPayののぼりが撤去されました。ひょっとするとPayPayの取り扱いも終了するかも知れません。

コード決済の楽天Payとタッチ決済の楽天Edyは残念ながら精彩を欠いています。西友という実店舗網で巻き返しを図ることができるのか?今後の動きが楽しみです。個人的には楽天PayもEdyも使いずらい決済方法だと感じています。やはりコード決済ならPayPay、タッチ決済なら三井住友・ドコモ陣営のiDが白眉だと思います。資本力を背景にしたPayPay、実績のiDの牙城に楽天がどこまで近づけるか、その最初の主戦場が西友になるのは想像に難くありません。

西友も楽天も低所得者向けのサービスを提供している点では一致しています。西友での成功が楽天の今後を占う試金石ともいえるのではないでしょうか。なかなか面白いことになりそうです。