定番トランジスタ使用6パラ機制作

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以前買ったトランジスタの詰め合わせの中に、手つかずのトランジスタがありましたので、在庫処分で6パラプッシュプルのヘッドホンアンプを作ってみました。

手つかずのトランジスタはC1815とA1015です。昔電子工作をしていたころに沢山使ったトランジスタは、なんといっても2SC372でした。そして2SC372が製造中止となって、代替として使われるようになったのが2SC1815です。

トランジスタの詰め合わせ、送料込み¥300也

そんな2SC1815は価格が安く、そこそこ出力もとれる(データシートではIcが150mA)ので、組み立てキット等ではかなりの割合で使われていたように思います。そんな2SC1815も本家の東芝では製造が打ち切られて久しいです。今回使用したC1815とそのコンプリ(相補)トランジスタA1015は、恐らく2SC1815と2SA1015のコピー品だと思います。ピン配列は日本製トランジスタの定番であるECB(通称エクボ配列)になっていますので、刻印だけを偽装したものではないようです。

海外製のトランジスタの場合、EBC配列(2Nxxxx等)やCBE配列(BCxxxx等)が多いように思います。個人的には海外製のEBC配列やCBE配列の方が左右チャンネルの密着実装ができるので好きです。さて、在庫整理で作った6パラプッシュプルヘッドホンアンプですが、24個のトランジスタをユニバーサル基板に植えるのに手間取りましたが、それ以外は難しいところもなく、無事完成しました。今回は入出力ともカップリングキャパシタを省略したICL,OCL回路としました。極端に小さな容量のキャパシタを使用しない限り、実際にキャパシタの有無で音が変わることは無いのですが、キャパシタがないと、何となく鮮度の高い音が出るように感じますし、高域も澄んだ音がするように感じます。

計算上、カットオフ周波数は可聴域の外側ですし、LTSpiceを使用しても計算を裏付ける結果しか出ませんので、キャパシタの有無による音の変化は気のせいです。でも、音が変わったように感じるのが精神的バイアスの結果でしょう。

得るものが少なく、DC混入による危険性が増してしまうICL,OCL回路ですが、精神的バイアスを解決する効果は絶大です。ということで、過去に作成した3パラ機と5パラ機にも改造を施し、ICL化しました。接続する機器の選択を間違えば、一発でヘッドホンのボイスコイルを焼き切ってしまう可能性大ですが、精神的バイアスの解放の魅力には勝てませんでした。

ICL化した3パラ機(右)と5パラ機(左)