全額返金で決着(偽オペアンプ)

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Aliexpressからの回答は全額返金でした

Aliexpressで買ったオペアンプは全部偽物でして。そして、偽物オペアンプは、全額返金されることとなりました。しかし、販売されているオペアンプの偽物率がここまで高いとは思いませんでした。これまで、JRCのオペアンプは、偽物が少ないと思っていました。しかし、見事に裏切られました。早速クレームを入れたところ、送料を含め全額返金する旨の回答が、翌日届きました。

偽物オペアンプを廃棄する前に中身を知りたい

偽物オペアンプとはいっても、型番を偽っているだけです。したがって、期待した性能は出ません。しかし、オペアンプとしては動作します。そこで、中身は何か探ってみたいと思いました。

手掛かりは、スルーレートです。まずは、先日の測定結果を見てみましょう。

NJM4558(偽物)のスルーレート測定

全額返金の対象となった、NJM4558(偽物)のスルーレート測定。スルーレートは0.45V/μsでした。
NJM4558(偽物)のステップ応答計測 – オシロスコープの画面キャプチャ

スルーレートは、キャプチャした画像から割り出せます。画像の左上、V1とtの値から0.45V/μsであることがわかります。

偽物オペアンプはフルスイングか?

スルーレートと併せて、コンパレーター動作時の出力電圧を測ってみました。ONとなったときの電圧が、電源電圧と一致すればフルスイングです。(フルスイングとは、出力の最大と最小の電圧が、電源電圧と一致することを指します。Rail to Railということもあります。)

このオペアンプがフルスイングか、コンパレーターとして動作させて、測定してみました。
コンパレーターがONのときの電圧は電源電圧(5V)より1.3V低い電圧でした

コンパレーターとして動作させたときのON電圧が電源電圧より1.3V低い値でした。したがって、このオペアンプはフルスイングではないことがわかります。

偽物オペアンプの中身は何か?

そして、これら二つの条件をもとに日清紡デバイスのHPで検索してみました。しかし、該当するオペアンプは見つかりませんでした。

偽物オペアンプに合致するようなオペアンプは見つかりませんでした。
日清紡マイクロデバイスの製品には、この偽物オペアンプに該当するものはなさそうです

次にTIのHPでも、検索してみました。

TIのホームページでも検索してみましたが、それらしいオペアンプは見つかりませんでした。

TIのHPも見てみたのですが、どうもどんぴしゃりのものが見つかりません。OPA2170とかTLV2170あたりが何となく近いような気もします。しかし、TIのオペアンプは入手性があまりよくありません。従って、偽物の種にするには不適当だと思います。

全額返金されるから良しとするけど・・・。

結局、偽物オペアンプの中身は分かりませんでした。しかし、Aliexpressが全額返金に応じてくれましたので、良しとしましょう。ただ、オペアンプをAliexpressで購入するのはお勧めできないです。受け取った品物の真贋を見極められなければいけません。もし、見極めが出来なければ。そして、しっかりと主張できなければ騙され損です。ご注意ください。