『「平和な国」日本の裏側』堤未果著

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『「平和な国」日本の裏側』は、元は別の題名で出版されていました。昨年改題されたこの本は、非常にショッキングなプロローグから始まります。それは、オバマ氏が米大統領であった頃にさかのぼります。

2009年のパンデミック

2009年、WHOは豚インフルエンザのパンデミックを宣言した。そして、製薬会社から多額の献金を受けていたオバマ大統領は10億ドルの予算を組んで、これに対処した。そして、ワクチン被害が出ても裁判を起こされないようにメーカーに免責を与えた。

今の状態と似ているように感じてしまいます。そして、この時に巨額の利益を得たメーカーは、WHOと大統領に献金を行ったようです。さらに、前年のリーマンショックを端緒とする金融危機で、オバマ大統領は公金で銀行を救済しました。しかも、誰一人逮捕されることは無く、不正は実質免責となってしまいました。

年次改革要望書に従順な日本

毎年、アメリカから日本に対し、年次改革要望者が送られてくる。その内容は、郵政の民営化や大店法の改正など様々だ。しかし、その根底に流れているのは米国の利益だ。その一つ、郵政の民営化によって、かんぽ生命が分離された。そして、その商品の多くはアフラックが提供するすることになった。また、ゆうちょ銀行ではゴールドマン・サックスの勧めるリスク商品へ投資を始めた。

重要な決定はマスコミによって隠されてきた

郵政民営化では、民営化による業務の効率化が華々しくマスコミに取り上げられた。そして、時の総理大臣もマスコミに大々的に取り上げられた。その陰で、民営化によって変わるお金の流れや、利益を得る者の存在をマスコミは黙殺した。時に重要な事柄は、芸能人のスキャンダルなどの影に隠されてしまう。何故か国会で重要な審議が行われているときに限って、テレビはどのチャンネルも同じ内容を繰り返す。そして、大手テレビ局の外国人持ち株比率が、規制上限の20%でぴたりと横並びになっている。これは、極めて不自然なことである。信じたくはないが、米国企業が邦人名義を使って株を買い進めていることは無いだろうか?

日本の財産が海外に流出している

かんぽ生命やゆうちょ銀行は前述のとおりである。では、他はどうだろうか。例えば年金運用を行うGPIFは、60%を国内債券で運用することとされていた。しかし、2014年安倍政権の時に株式での運用比率を50%に引き上げてしまった。そして、株式での運用分の半分(全体の25%)を海外株式で運用することとしてしまった。安定した運用をすべき年金積立金の25%が海外に流出することを許してしまっている。

その他、多くの国が外国人による土地の売買に制限を課している中、日本には規制がない。その結果として、2,060haという広大な土地が海外の持ち主のものとなっている。それらの土地の中には、水源地も含まれており、貴重な水資源が海外のものとなってしまっている。

日本売りはマスコミと政府のタッグにより進められている

政府は米国の要求に従順に従う。そして、既に海外資本が入り込んでいるマスコミは報道しない自由でこれを隠す。こうやって、巧妙に国民の目をそらしながら、日本売りは進んでいる。

何処までが事実なのかは知りませんが怖い話です

大変読みやすい本で、数時間でさらりと読めました。もし、この本に書いてあることが本当ならば、大変なことになるでしょう。もちろん、引用されている資料には出典が記されています。そして、恐らくネットを駆使すれば一次資料を探し出すことも可能でしょう。そして、本書の末尾にはこんな一文があります。「国民が自分の頭で考え、一次情報にアクセスすることが習慣になったら、社会は間違いなく変わります。」 少し、希望が持てたように感じます。実際、私も数年前にテレビとはサヨナラしました。また、新聞の購読も止めました。しかし、困ったことは何一つありません。大抵のことはネットで調べることができます。もちろん、ネットの情報は大半がデマと不見識で満たされています。ですから、真贋を見極める力は自然と身に着いたように思います。そして、全ての事柄を鵜呑みにしない習慣も身につきました。