QKZのイヤホンAKXは笑いのツボも備えていた

Spread the love

QKZのイヤホン、AKXを購入しました。QKZのイヤホンは、当たり外れの振れ幅が大きいのが特徴です。そして、今回買ったQKZのAKXは間違いなく当たりです。しかし、ズッコケた部分もしっかり備えていて、笑いも提供してくれました。

QKZとは

QKZというのは中国のイヤホンメーカーのブランドです。その製品は、わずかな例外を除いてダイナミックドライバー一発の簡素なイヤホンです。そして、明らかにパクりと思われる商品も沢山あります。特に、ブランド名が酷似しているKZというブランドのパクり商品も沢山製造しています。

そんな、ちょっと危うい感じのするブランドですから、他社製品を真似た安物がほとんどでした。しかし、中には当たり商品もあります。数多くの粗悪品の中から、当たり製品を探すのがQKZの楽しみ方です。かなりの確率で引き当てる外れ商品も、値段が値段なので、腹も立ちません。

最近は品質向上が著しい

数年前までは、聞いた瞬間投げ捨てたくなる商品もありました。しかし、AKシリーズの商品を出すようになってから、品質も良くなってきました。特に、AK2やAK6等は、KZ、CCA、TRN等の製品と肩を並べるレベルになってきました。(ダイナミックドライバ一発の製品同士の比較に限る。)

QKZのAKXが安売りされていたので買ってみた

QKZのAKXが安売りされていた
アリエクで安売りされているAKX

アリエクで見慣れないイヤホンが安売りされてるのも見て、早速注文しました。購入価格は360円で、QKZのイヤホンとしては少々高額です。ちなみにAK6なら280円くらいで売られています。しかし、商品の写真を見ると、透明のシェルを通して、チップ部品が取り付けられているように見えます。これは、ちょっと気がかりですので、QKZにしては高額でしたが買ってみることにしました。

QKZのAKXを子細に見ていく – パッケージ

アリエクも最近は配送が速くなりました。今回購入したQKZのAKXも一週間ほどで配送されました。

QKZのAKXは結構しっかりした箱に入ってやってくる
AKXの外装スリーブ

QKZの製品は大体紙スリーブに納まったプラ箱に納まっています。紙スリーブにHi-Resのロゴが印刷されています。しかし、このロゴが正規の手続きを経て表示が許されたものか否かは、甚だ怪しいです。しかし、そもそもHi-Res認証自体にどれほどの意味があるのかも怪しいのですが。

QKZのAKXが入っているプラ箱は重宝する
QKZ製品でおなじみのプラ箱 – 白は初めて見た

QKZの製品はプラ箱に入った状態で販売されています。このプラ箱が意外と丈夫で、使い勝手が良いので気に入っています。しかし、これまで手にしたプラ箱は全て黒色でした。白色のプラ箱は始めてです。

QKZのAKXを子細に見ていく – イヤホン本体

AKXイヤホン本体

イヤホンのケーブル部分は着脱不可です。したがって、リケーブルはできません。しかし、この価格帯のイヤホンにリケーブルの需要は無いと思います。ケーブルは、最近のKZのケーブルと同じで、並行ケーブルです。QKZでも上位のVKシリーズは編み込みケーブルでした。しかし、コストダウンのためでしょうか、編み込みケーブルは姿を消す方向のようです。また、プラグ部分は低価格な製品ですが、保護スリーブが被せられています。

プラグ部分は金メッキかも知れません

なお、プラグ部分は金色をしています。恐らく金メッキ処理が施されていると思われます。本当に金メッキならば、この価格帯のイヤホンにしては頑張っているのではないでしょうか。

ステムはハウジング一体型のようです
ステムはハウジング一体型のようです

QKZのイヤホンは、ステム部分が弱いものが多いように感じます。しかし、このAKXのステム部分はハウジングと一体成型のように見えます。したがって、ステムが脱落しやすいという弱点は克服されていると思います。

付属品

AKXの付属品

AKXには交換用イヤーピースとケーブル固定用のクリップ、耳掛け用のケーブルスリーブが付属します。この価格帯にしては頑張っているように思います。

外から見えるチップ部品は何?

AKXのシェルは透明ですから、中身が良く見えます。特に良く見えるのが、QKZの三角のマークがデザインされた基板です。良く見るとコンデンサと抵抗と思われるチップ部品が見えます。

チップ部品が搭載された基板はイコライザーなのか?
チップ部品が搭載された基板はイコライザーなのか?

抵抗とコンデンサですから、パッシブイコライザーなのかもしれません。QKZのAKXはシングルドライバーのイヤホンですからチャンネルデバイダーではないと思います。しかし、この基板よーく見てみると・・・。

AKXの基板を横から見てみました
AKXの基板を横から見てみました

チップ部品が搭載された基板を横から見てみました。すると驚愕の事実が解りました。なんと、ケーブルは基板に接続されていません。つまり、ケーブルは基板に接続されることなくドライバに接続されています。つまり、チップ部品が乗った基板は飾りでした。さすがQKZです。それにしても、飾りのためにチップ部品を取り付けた基板をイヤホンに搭載するとは驚きです。

肝心の音質は?

しっかりツッコミ所を提供してくれたQKZのAKXですが、肝心の音質はどうでしょうか?私なりの感想を記しておきます。

基本的には、AK6と似た音質です。大き目なハウジングによって低域は豊かです。その一方で、中音域の音量は僅かに低く、その影響で解像度は僅かに低めです。しかし、これが奏功して、ボーカルのサ行が刺さることはありません。そして、高音域は低音域に負けない音圧が感じられます。一言でいえばドンシャリ傾向の音です。しかし、ダイナミックドライバ一発の良さは感じられます。

ダイナミックドライバー一発の良さ

バランスドアーマチュアドライバを複数使用した高級イヤホンは、聞いた瞬間音の良さを感じます。しかし、この音の良さは、能率の高さによる音圧の嵩増しによるところが大きいです。また、多くの高級イヤホンの再生能力が高域重視であるため、派手さも感じます。

もちろん、片耳に8個のドライバーを詰め込んだイヤホンの音は素晴らしいです。しかし、長時間装着しておくには大きく重く音圧が高すぎます。普段使いにはむしろダイナミックドライバー一発の、軽くて音圧がそれほど高くないイヤホンが適しています。

安価で、性能も表現力もそこそこな、派手さはなくても仕事はキッチリこなす、QKZのAKXは、そんなイヤホンです。