テスターを新調したら違和感を感じた

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テスターを新調しました。なかなか良くできているのですが、違和感を感じました。新調したテスターは、かなり高機能です。そして、自動判別機能が付いていますので、プローブを当てれば、勝手に測定対象を判定し、測定結果を表示してくれます。しかし、使い慣れないためか、違和感を感じています。そして、限界も見えました。

古いテスターは何時買ったのか忘れる程古いものです

これまで使っていたテスターはかなり古いものです。恐らく20年くらい前に買ったものではないでしょうか。いつ買ったのか忘れる程昔のものです。しかし、買ったお店は覚えています。秋葉原の秋月電子通商です。

これまで使っていたテスター
これまで使っていたテスター

購入当時でも、アナログ式のテスターは高級品になっていました。もちろん今でもアナログ式のテスターは入手可能ですが、デジタルテスターに比較して高額です。その一方で、デジタルテスターは高機能化と低価格化が進んでいます。

これまで使っていたテスターは、数百円で購入した低価格品です。したがって、機能は限定的です。それでも基本的な電圧、電流、抵抗に加え、ダイオードのVfやトランジスタのhFEも測定できます。このテスター、今でも使えます。しかし、レンジ切り替えダイヤル表示が薄れてきています。そして、何年かに一度入れ替える電池006Pも徐々に入手が難しくなり始めています。そこで、思い切って最近の機能豊富なテスターの購入に至りました。

ANENG SZ02を購入しました

購入したのは、中国メーカー製のANENG SZ02というテスターです。購入時の価格は1800円程でした。

購入したテスター、ANENG SZ02
ANENG SZ02

SZ01という兄弟機が1500円程で販売されていましたが、今回は機能の多いSZ02を購入しました。両者の違いは、熱電対を使った温度測定、コンデンサの容量測定、ダイオードのVf測定の有無です。

新しいテスターには温度測定用の熱電対も付属していました

ANENG SZ02の本体と付属品
ANENG SZ02の本体と付属品

開梱したところ、テスター本体の他に、テストプローブと熱電対が付属していました。

テストプローブには保護キャップが装着されています
テストプローブには保護キャップが装着されています

付属のテストプローブは、安価なテスターの付属品にしてはしっかりしています。バナナジャック側には、保護キャップが装着されています。また、測定端にも保護キャップが装着されています。測定端のキャップは、装着状態でも先端部が露出しており、装着したまま測定ができます。

テストプローブのキャップを外してみました
テストプローブのキャップを外してみました

テストプローブの先端には、くびれが設けられていて、使い易そうです。保護キャップは、使用の都度取り外すのが面倒です。しかし、保護キャップによって、接触部分の酸化が抑えられる利点があります。酸化しても、軽度の場合には布で磨くだけで酸化幕は除去できまが、酸化させないに越したことはありません。

面白い機能が付いていました

今回購入したテスターには、色々な機能が付いています。例えば、フラッシュライト機能は、その名の通り懐中電灯です。なんとテスターの上面にある、二つの白色LEDを光らせることができます。また、NCV(Non-Contact Voltage Detect)という機能を使うと、非接触で電灯線を探すことができます。この機能は、壁の中の電灯線を探したり、コンセントに電源が来ているか否かが解ります。電気工事に役立ちそうです。

NCVモードにして電灯線に近づけるとビープ音と共に画面が赤く光ります
NCVモードにして電灯線に近づけるとビープ音と共に画面が赤く光ります

その他、Liveというモードがあります。このモードでは、電灯線のホット側の端子を探すことができます。

Liveモードでは電灯線のホット側を探すことができます
Liveモードでは電灯線のホット側を探すことができます

Liveモードは、オーディオ機器のプラグ差し込み極性を揃えるときに使えます。

交流電圧測定では、周波数も表示してくれる

交流と直流は、自動的に判別されます。そして、交流電圧の時には周波数も同時に表示してくれます。必要性は低いですが、便利ではあります。

0.5V以上の電圧が印加されると自動的に電圧測定モードになります。交流直流も自動判別されます。
0.5V以上の電圧が印加されると自動的に電圧測定モードになります。交流直流も自動判別されます。

なお、電圧測定時に一定以上の電圧が印加されると、画面が赤く光り、注意を促してくれます。

ちなみに、このテスターで測定できる周波数は1kHzまでとされています。では、もっと高い周波数は測れないのか、試してみました。

このテスターは、正弦波の場合1kHzを超えると周波数の誤差が大きくなります
正弦波の場合1kHzを超えると周波数の誤差が大きくなります

正弦波の場合、1kHzを超えると周波数の誤差が大きくなります。ということで、周波数の測定上限1kHzは妥当だと思います。ちなみに、矩形波の場合は・・・。

矩形波の場合は4kHzまで測定できます
矩形波の場合は4kHzまで測定できます

矩形波の場合は4kHzまで測定できました。しかし、4kHzを超えると抵抗測定と電圧測定を行ったり来たりしてまともに動作しません。

違和感を何処で感じたか

ANENG SZ02というテスターは、原則として自動判別モードで使用するように作られています。自動判定モードでは、0.5V以上の電圧が印加された場合、電圧測定モードとなります。0.5V以下の電圧が印加された場合、抵抗測定モードとなります。そして、抵抗測定モードで抵抗値が50Ω未満だった場合、ビープ音が鳴動する導通試験モードになります。

導通試験モードは独立しておらず、ビープ音を消すことはできません。これが一つ目の違和感です。

次の違和感は、0.5V未満の電圧を測る場合です。自動判定モードでは、0.5V未満の場合抵抗測定になってしまいますので、手動でmV測定レンジに切り替える必要があります。しかし、測定の結果0.5V以上の電圧であった場合、レンジ切り替えは行われず、オーバーレンジの表示となります。この場合、手動で自動判定モードに切り替える必要があります。

三つ目の違和感は、電流測定です。プローブを電流測定端子に挿入すると、自動的に電流測定モードになります。しかし、測定電流は20mA~20Aに限られます。つまり、20mA未満電流値は測定できません。電子工作の分野では20mA未満の電流値を測りたいシチュエーションは結構あります。

違和感は感じるけど、総じて良くできたテスターです

このテスターは、多くの場合、自動判定モードで事足りてしまうでしょう。また、NCVやLiveモードなどを見ると、電気工事向けのテスターなのかも知れません。その一方で、電流測定範囲の問題は如何ともしがたいです。したがって、新しく買ったテスターでカバーできない部分は、引き続き、古いテスターに頑張ってもらいます。