KZのチープなイヤホンに唸る
KZのチープなイヤホン、EDX Proを購入しました。購入先は、いつものAliexpressです。独身の日セールに引き続き開催された、ブラックフライデーセールで速攻購入しました。一週間程で配送されましたので、早速鳴らしてみました。
KZのEDX Proが特価で販売されていました
中国のイヤホンメーカー、KZ(Knowledge Zenith)の製品には外れがありません。どれを買っても満足できます。メインはダイナミックドライバとバランスドアーマチュアを搭載したイヤホンです。しかし、ダイナミックドライバーを一つだけ使ったシンプルなイヤホンも販売しています。
KZの初期の製品、EDR2というイヤホンを今でも使っています。このEDR2は、購入当初400円程の価格でした。見た目は価格相応のチープなイヤホンです。しかし、音が素晴らしかったです。所謂ドンシャリです。好き嫌いは別れると思います。しかし、多くの高級イヤホンが低域と高域に厚みを持たせたチューニングを施しているのに似た音作りです。数百円の安物で、流行りのチューニングが味わえるのは愉快です。
EDX Proでの変更点は?
KZのオフィシャルサイトでは、素のEDXからの変更点について解説されています。その一つが、金属製フェースプレートの埋め込みです。確かに、素のEDXは”X”と一文字書かれていただけでした。しかし、EDX Proでは少し高級感を持たせたということなのでしょう。そのほか、ケーブルが編み込みタイプから、簡素なものに変更されています。また、音のチューニングも変わっているようです。
到着したEDX Proを見てみる
今回は、通常の外装箱を、更に黒色の袋に入れた状態で配送されました。
外装スリーブを取り外すと、こんな感じに梱包されています。やはり、低価格商品ですから、梱包は簡素化されています。高額商品とは異なり、商品型番を記した金属プレートは省略されています。しかし、これは仕方のないことでしょう。つぎに、内容物を見てみましょう。
同梱物は、イヤーピース3組(内1組はドライバーに装着済)とケーブルです。ケーブルは、素のEDXは編み込みタイプですが、EDX Proはモールドタイプとなっています。また、コネクタ形状はKZのCタイプとなっています。したがって、Bタイプケーブルを使用すると、コネクタを痛めますのでご注意ください。しかし、ここ最近はCタイプに統一されていますので心配はいらないでしょう。
ドライバー部分は小ぶりで、装着感は良好です。しかし、ステム部分は素のEDXや元祖ハイブリッド機ZSTと同様にハウジング一体成型です。一体成型ステムは、強度は良好です。しかし、素材の性質上、イヤーピースが脱落しやすい欠点もあります。
音の傾向
KZ EDX Proは、比較的おとなしめの鳴り方です。ハウジングを小ぶりにした関係で、共振周波数は少し高めになっていると思われます。また、ドライバー背面の開口部がかなり大きく取られています。また、ドライバー開口部には白色の布が貼られています。恐らく、これはチューニングの為と思われます。
実際に鳴らしてみると、おとなしい鳴り方です。KZ EDX Proに搭載されているドライバーは、二重磁気回路となっています。したがって、グイグイ押し出してくるような鳴り方を想像していました。しかし、実際に鳴らしてみると、おとなしいです。恐らく、低域の共振周波数を上げるとともに、ドライバーの背圧を下げることで、共振を抑えているのではないでしょうか。
KZ独特の力強い低域と、ソースによっては刺さる高域が、上手に手なずけられています。その一方で、中音域がの存在感がしっかり感じられます。所謂ドンシャリから、少しだけフラットになったように感じられます。
ドンシャリイヤホンが不得意とするオペラのような声楽曲も、違和感なく鳴ってくれます。例えば、KZのZSXのような、暴力的な低音と、脳天に響く高音に疲れた時に、EDX Proは最適でしょう。この品質で、このお値段は驚異的です。とてもよくできたイヤホンです。