ANENGのSZ305 – 慣れた感じのテスターを追加購入
SZ305というANENG社のテスターを追加購入しました。先日買ったオートレンジのテスターがどうしてもしっくり来なかったからです。丁度良いことに、アリエクでは、ブラックフライデーセールをやっていました。
またANENGのテスターを購入しました
最近、アリエクではANENGの製品を推しているようです。ANENGのオフィシャルショップが開設されています。また、お勧め商品にもANENGの商品が結構な確率で出てきます。
今回はなるべく安くて、機能の多いものを探しました。そして、選択したのはANENGのSZ305という機種です。
色々とテクニックを駆使して、お安く買いました
そもそもブラックフライデーセール開催中で、かなりお安くなっていました。しかも、更に割引を適用して、送料込み635円で購入することができました。
お店によっては、400円台で販売されています。しかし、このようなお店は、別途送料を課しているいる場合がほとんどだと思います。
ANENG SZ305は意外とデカかった
購入した激安テスターは想像していたよりもデカかったです。しかし、大きさの割に、重さを感じません。手に持った瞬間、おもちゃのような安っぽさを感じてしまいました。高級感や、緻密な感じは全くない、お値段なりの感じです。
デカいけど、中身はスカスカでした
到着したANENG SZ305は、意外と大きくて驚きました。しかし、重さは感じられません。そこで、使用前に中身を見て、スカスカ具合を確かめてみることにしました。
思った通り、スカスカです。回路基板は、テスター全体の面積の半分以下でしょう。また、プローブ接続端子にには”FUSED”と記載されています。しかし、基板を見る限りヒューズらしきものは見当たりません。念のため、基板の裏側も見てみましたが・・・。
基板の裏側にもヒューズらしきものはありません。したがって、誤ってmA端子に強烈な電流を流してしまうと、一発でこのテスターは焼け焦げてしまうでしょう。中国製の闇を垣間見てしまいました。
そして、基板から針金が一本出ていました。恐らく、これはNCVレンジで使用するアンテナだと思います。
機能は豊富です
送料込み635円の激安テスター、ANENG SZ305は、安価ですが多機能です。電圧、電流、抵抗は当然のように測定できます。他に、周波数、hFE、静電容量、Vf+導通、NCV、バッテリーレンジがあります。これだけの機能があれば、アマチュアには十分でしょう。
その他、便利機能として、差分モードが用意されています。例えば5Vの電圧を測定した状態で、差分モードに切り替えます。すると、表示は0Vになり、電圧が変化した場合に、変化量を表示してくれます。これは地味に便利です。
また、バックライトも付いていますので、薄暗い場所での視認性は良好です。
さらに、オートパワーオフ機能も付いています。これは、15分間レンジ切り替え等の操作を行わなかった場合、自動的に電源を切る機能です。もちろん、オートパワーオフをキャンセルすることもできます。
ANENG SZ305の弱点
SZ305は、値段の割に、良くできたテスターです。しかし、弱点もあります。その一つが、カウント数です。カウント数が大きいほど、測定レンジは広くなります。ANENG SZ305は2000カウントです。この場合、レンジは原則2、20、200、2000区切りとなります。また、表示は0~1999の1+3桁(3.5桁と表記する場合もあります)となります。
例えば10000カウントであれば、レンジは1、10、100、1000区切りとなります。そして、表示は0~9999の4桁となります。つまり、カウント数が大きいほど、一つのレンジで測れる範囲が広くなります。そして、レンジ切り替えの頻度は少なくなります。さらに、カウント数が大きいほど有効桁数が大きくなるため、測定精度は高くなります。
もう一つの弱点はhFEレンジです。ANENG SZ305の電源電圧は3Vです。つまり、3Vを超える電圧を使って測定をすることはできません。電源電圧が低いために、hFEが実際よりも低く出る場合があります。
手許にあったBC557BのhFEを測定しました。その結果は良好でした。しかし、これはBC557Bが小電力用途のトランジスタだからです。Vbe(SAT)やVce(SAT)が大きなトランジスタのhFEは正しく測定できません。
ANENG SZ305付属のプローブがダメ
そしてもう一つ、付属のプローブの品質が良くありません。測定電極とリード線の接合が粗悪で、ねじりにより接合部分が簡単に切れてしまいます。また、リード線の導体が細いため、電流測定に使用するのは適当ではありません。また、測定電極にくびれが無く、使いにくいです。したがって、安全確保の為、プローブは別途用意し、付属のプローブは廃棄すべきです。
懸念事項はあるが、アマチュアならこれで十分
今回購入した、ANENG SZ305ですが、機能は十分で、ストレスなく使えそうです。しかし、FUSEDと書かれているにも関わらず、ヒューズが実装されていないのは前述のとおりです。したがって、使用方法によっては、安全性上の問題があると思います。
本体には、安全定格CAT Ⅲと表記されています。また、本体裏面には二重絶縁の刻印があります。しかし、これは怪しいと思います。しかも、付属のプローブにはCAT表示はありません。また、二重絶縁の表記はありません。 したがって、CAT Ⅱ相当と考えて使用すべきでしょう。しかし、現実問題として、電気工事を行わないアマチュアであれば、これで十分だと思います。