懲りずにQKZ、今度はSK3

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懲りずにQKZのイヤホンを買いました。今度は、SK3というモデルです。最近、QKZのAK6 Proというモデルを購入し、QKZ=粗悪品という印象は過去のものになりました。そこで、調子に乗ってSK3を買ってみたわけです。購入時の価格は450円でした。QKZのイヤホンとしては、少し高額です。しかし、その分ハズレ商品は少なくなっています。ですから、この価格には納得できます。

QKZ SK3の特徴

外観はAK6に似ています。AK6と同じく、ケーブルを耳の上に掛ける装着方法を採用しています。所謂シュアー掛けという装着方法ですが、ケーブルのタッチノイズを抑えてくれます。構造的には、AK6を踏襲と見てよいでしょう。

次に、QKZの商品説明を見てみました。しかし、うさん臭さ満載です。先ずはドライバに関する説明を見てみましょう。

ドライバ解説 - QKZ SK3商品説明より抜粋
ドライバ解説 – QKZ SK3商品説明より抜粋

Double-tichkessと書かれていますので、分厚い磁石が使われているのでしょう。しかし、その次が迷な部分です。”rubidium magnet”と記載されています。つまりルビジウム磁石が使われているという意味だと思います。しかし、どれだけネット検索しても、ルビジウム磁石についての情報はありませんでした。そこで、Copilotにたずねたところ、こんな答えが出てきました。

ルビジウムに関するCopilotの答え
ルビジウムに関するCopilotの答え

どうやら、永久磁石にルビジウムは使われないようです。つまり、この部分に関しての説明はカセだと思います。この部分に関しては”大きな磁石使っています”くらいに受け取っておけば良いでしょう。

QKZ SK3のプロダクトパラメーター

つぎに、公表されているパラメーターを見てみましょう。

QKZ SK3のプロダクトパラメーター
QKZ SK3のプロダクトパラメーター

この表を見ると、ドライバーの径が随分大きくなっています。AK6のドライバー径は10mmでした。しかし、SK3では11.6mmとなっています。径としては僅か1.6mmの拡大です。しかし、断面積は1.35倍になります。つまり、音質に影響を与えるであろう、振動版の面積は、大きく拡大されているはずです。その一方で、感度=音圧は96dBとなっています。この値は、AK6の108dBと比較して、随分控えめな値です。

QKZ SK3実機の確認

手許に届いた実機を確認していきましょう。

QKZ SK3梱包状態 - 紙スリーブ(左)とブラケース(右)
QKZ SK3梱包状態 – 紙スリーブ(左)とブラケース(右)

多くのQKZ製品と同様に、プラケースに紙製のスリーブが被せられています。プラケースは、耐久性があり、普段の持ち運びに使えます。

次に、付属品を見てみましょう。

QKZ SK3の付属品
QKZ SK3の付属品

付属品は、ビニール製の耳掛けスリーブ、交換用イヤーピーズ、ケーブルクリップです。

次に本体を見てみましょう。

QKZ SK3本体部分
QKZ SK3本体部分

ケーブルは取り外し不可です。ハウジングにQKZのロゴは表示されていません。その代わり、ハウジング背面には、ストライプ状の溝が設けられています。しかし、この溝は浅く、全体的に平板な見た目になっています。価格なりの見た目です。

QKZ SK3 ステム部分
QKZ SK3 ステム部分

ステム部分は、ハウジングと一体成型されています。そのため、AK2あたりの製品で多発していた、ステム脱落は起きないでしょう。また、ステム開口部には、目の細かいメッシュが取り付けられています。この価格帯のイヤホンにしては、丁寧に作られていると思います。

ケーブル分岐部分
ケーブル分岐部分

ケーブル分岐部分には、スライド式のボリューム、マイク、フックボタンが設けられています。マイクの感度は十分で、音質については、通話用として十分です。

プラグ部分
プラグ部分

プラグはL字型4極です。また、金メッキも施されています。

QKZ SK3を聴いてみた

実際に聴いてみました。先ず、最初に感じたのは、SK3は難しいイヤホンだということです。接続機器によってかなり印象が変わるイヤホンです。

最初、ノートパソコンのイヤホン端子に接続して聴きました。その音は、眠く、締まりのない音で、がっかりしました。後に、ノートパソコンとイヤホンの間に自作ヘッドホンアンプを入れて聴きました。すると、驚くほど鮮度の高い音が出てきました。低音は豊かでありながら、しっかり締まっています。中音域にあるヴォーカルは、ハキハキとしています。そして、高音はキラキラとして華やかです。

QKZ SK3は使用環境を選ぶイヤホンです

私の、安物のノートパソコンのイヤホン端子は安全第一で設計製造されているはずです。そのため、カップリングコンデンサや、電流制限抵抗などの安全装置が取り付けられているはずです。

しかし、安全性をガン無視した、クレイジーで、チープなヘッドホンアンプに安全装置はありません。安全性を捨てた対価として得られたのは、高いダンピングファクターです。自作ヘッドホンアンプでは、電力増幅トランジスタのエミッタ端子が、直接イヤホンにつながります。つまり、出力を制限する抵抗はゼロです。実際には、ケーブルやコネクタの抵抗があります。しかし、安全装置の抵抗に比べれば、桁違いに小さい抵抗です。そのため、自作ヘッドホンアンプのダンピングファクターは、PCと比較してずっと大きいはずです。

この差が、音に現れたのだと思います。今回購入したQKZ SK3は安物です。しかし、安物でも、使用環境を整えることで、驚くほど良い音がします。

QKZ SK3は、出力抵抗が十分に低い再生装置をお持ちの方にだけ、お勧めできるイヤホンです。安物ですが、使用環境を選ぶイヤホンです。逆に、しっかりとした環境を整えれば、この上ない高コスパイヤホンになります。