47式アンプ(改)無負荷対策

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前回の検討で最終的な回路定数は決まりかと思っていたのですが、無負荷時の挙動のシミュレーションが抜けていました。無負荷で使用することはあり得ないとは思いますが一応シミュレーションしてみました。

接続するイヤホンに見立てた22Ωの抵抗を外してシミュレーションしたところ、発振してしまうことが分かりました。試しに位相補償のために負帰還抵抗に並列して設置していたキャパシタの容量を小さくしてみましたが、完全に発振を抑えるには至りませんでした。そこで思い切って位相補償キャパシタを省略して、完全に無負荷にならないようにR10(470Ω)を追加しました。恐らく負帰還をいじっても解決はできると思うのですが、以前の検討時のオフセット問題が再発することを避けたかったため、負帰還はキャパシタを省略しただけにしました。

発振してしまうとオペアンプの過熱が考えられますので、安全のためにもダミーの負荷を挿入するというものすごく泥臭い方法で解決しました。正直かっこ悪い回路になってしまいましたが、ちょっとこれ以上のアイデアが浮かばなかったというのが正直なところです。

こうやってみると、やはりClassAA回路はなるほどよくできています。そういって意味ではやはり47式アンプのような二つのアンプを通した出力を一段目の反転入力に帰還させるのはアマチュアの発想ですね。特に容量性の負荷をドライブする場合には位相余裕度が小さくなりますので47式アンプのような回路をメーカーの設計者が採用するわけないですよね。改めてClassAAアンプのすばらしさを再確認しました。