竹内浩三 『雲』

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今年の正月は穏やかです。ふと、空を見ると、刷毛で書いたような雲が浮かんでいました。雲を見ていたら、竹内浩三氏の本の一節を思い出しましたので引用してみたいと思います。ちなみに、下の写真は一昨年の夏、木賊峠で撮った写真です。

『雲』

空には
雲がなければならぬ
日本晴れとは
誰がつけた名かしらんが
日本一の大馬鹿者であろう
雲は
踊らねばならぬ
踊るとは
虹に鯨が
くびをつることであろう

空には
雲がなければならぬ
雲は歌わねばならぬ
歌はきこえてはならぬ
雲は
雲は
自由であった

「日本が見えない」藤原書店発行 小林察編より