立川談志師匠

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今週の初め、噺家の立川談志師匠がお亡くなりになりました。名人の誉れ高い噺家と報道されていますが、残念ながら談志師匠の落語はただの一度も聞いたことがありません。そもそも、常打ちの寄席を持たない立川一門の落語は余程の贔屓でなければ聞く機会は無いでしょう。そんな事情もあってか、談志師匠はCDの製作には積極的であっら様で、かなりの数のCDが出されています。しかし、これとて余程の関心が無ければ買って聞こうとは思わないでしょう。
そもそも落語と言うのは、楽しむ為にかなりの知識を要求されます。例えば『帯久』のさげでは、本家と本掛を掛けているのですが、現代人には先ず通用しません。つまり、一つも面白くないのです。衰退すべくして衰退の道を進んでいる芸能です。
そんな中で、独自の解釈を加えた古典や新作を世に出している立川志の輔師匠こそ名人と呼ぶにふさわしいのではないでしょうか。中には『だくだく』のようにその題名とは全く関係の無い内容になってしまった話もありますが、特別な知識無しに楽しめる落語という芸能を現代に伝える為には必要な改変だったのでしょう。
風流とか粋という言葉を振りかざして、難解なものをさも解ったように振舞う、そんな無粋な輩が顔を利かす時代は既に終焉したのでしょう。