原子炉の寿命

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原子炉の寿命を原則40年とする法律案が国会に提出されるようです。構造や実運転時間、保守体制に関わらず一律40年と定めるのは少々無理が有るように感じますが、有史以来最大の原発事故の後ですから仕方の無い面もあるのでしょう。もちろん、原則があれば例外もあるわけで、そのあたりは政治的な判断となることでしょう。
しかし、実際のところ寿命が定められているものというは非常に少ないです。蝋燭や乾電池のように解りやすい形で寿命を迎えるものもありますが、それ以外のものは意外にも寿命が無いものというのが少なくありません。例えば航空機です。非常に厳しい耐空検査というものが有りますが、この検査さえ通過すれば寿命はありません。それから列車です。これも寿命は定められておらず、壊れるまで使えるわけです。自動車も車検さえ通れば、どんなに古い車でも公道で走る事が出来ます。
という事で、一律に寿命を定めるというのは、一般的には非合理的なことです。それよりも正しい保守体制と運用そして検査体制を整える方が寿命を定めるよりも何百倍も重要な事に気づいて欲しいですね。たとえ完成から数年しか経っていなくても、正しく運用されていなければ事故を起こすのですから。そして、三月に事故を起こした原子炉で40年以上経過していたのは一号炉だけなのですから。