ぃらっしゃいませーっ。

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百貨店とかデパートとか呼ばれている、チョッと気取ったいけ好かない店の店員というのは独特ですね。殆ど共通しているんですが、「いらっしゃいませ」の頭の「い」が聞こえるか聞こえないか位の小声なんです。そして、だんだんと声が大きくなって、最後の「せー」の頭の「え」で最高潮を迎えます。全体を通して、抑揚は無く、全く感情のこもっていないであろうその言葉は寧ろ客を拒んでいるように私には聞こえます。
誰が始めたか知りませんが、あの発声は独特です。独特な発声ということでは通勤電車のアナウンスです。のどを絞った少し甲高い声は、騒音の中でも聞き取りやすいようにそうしているのでしょう。そんな電車のアナウンスも、最近は予め録音されたものが使われる事が多くなってきました。
上野のアメ横に行くと、独特の調子で客寄せをする声を今でも昔と変わらず聞く事が出来ますが、これは威勢が良くって聞いていて心地よいものです。しかし、声を出すという習慣は少しずつ失われているようで、例えば観光地の旅館の客引きの声も何時からか全く耳にする事は無くなりました。昔は威勢のいい魚屋さんや八百屋さんが街にあり、夕暮れ時になると盛んに道行く人に声を掛けていたものです。
そんな音の風景も時と共に変わるものなのですね。