『八日目の蝉』

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『八日目の蝉』という映画をDVDで観ました。原作が良いのでしょう、実に複雑な感情を見ているものに与える映画です。そもそもは、誘拐された赤ん坊を誘拐犯が育てるという内容なのですが、当然のことながら物心つかないうちに誘拐されましたので、何の疑いもなく誘拐犯を母親として慕い、幸せな日々を送るわけです。しかし、誘拐という罪が消えるわけもなく、誘拐犯は逮捕され、子供は本来の母親の元に返されます。解された母親は懐かないわが子に戸惑い、精神を病んでいき、返された子供もそんな母親とは自然に距離を置くようになり・・・。といった内容です。

なぜか、犯罪者である誘拐犯の行ったことこそが正義であるように感じさせてしまうトリックがこの話には仕込まれています。現実の世界ではこれほどまでにドラマチックな出来事というのはそれほどありません。あくまで虚構の世界ではあるのですが、実によくできた映画です。全編二時間半の長大な映画ですが、そんな長さは感じさせないほどよくできた映画です。