メディアプレーヤーは無くなる・・・はずです。

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そういえばカセットテープを使わなくなってからどれほどの期間が経過したでしょうか。カセットテープやカセットテープレコーダーは細々と販売されていて、完全に姿を消したわけではありませんが、絶滅するのは時間の問題でしょう。

カセットレコーダーというのは当たり前ですがアナログチックで、機械ごとに癖があって、ある機械で録音したものをある機械で再生すると高音が伸びないという現象がありました。カセットテープに対する録音・再生ヘッドのわずかな傾きがこんな現象を発生させます。本当は素人は手出しすべきではないのですが、カセットテープを再生させながら、再生ヘッドを支えるネジを調整して(ばね仕掛けである程度の調整は効く構造になっていました)高音が一番きれいに出るように調整するなんていう事をよくやっていました。専門家はこれをアジマス調整と言っていましたが、そもそもリファレンス用のカセットテープと測定器が無ければやってはいけない事なのですが、そんな道具も無くネジをグリグリとやるもんですから終いにはネジ山がダメになってヘッドがポロリなんていうことも数回やりましたね。懐かしい。

そして現在では、デジタル全盛で、そもそも調整するような場所は無くそういった意味では、いつでも同じコンディションで音楽を再生してくれるMP3プレーヤーこそ昔あこがれたソリッドステートの雄であるわけです。

しかし、最近のタブレット端末の隆盛をみていますと、そんな夢のようなソリッドステートなMP3プレーヤーや動画も再生できるようなメディアプレーヤーも姿を消すのではないかと思われます。

中国製の安価なタブレット端末ですと日本円で5000円以下で手に入るようになってきていますので、単機能のMP3プレーヤーに数万円を払うのはもったいないように感じてしまうのです。もちろん、よくできたMP3プレーヤーの再生品質はタブレット端末よりも優れているのですが、タブレット端末の再生能力もいい線来ています。このあたりは、嘗て隆盛を極めたワープロがPCに駆逐された過去を彷彿とさせるものになるでしょう。

やはりタブレット端末のお得感というのは計り知れないものがあって、恐らくMP3プレーヤーやメディアプレーヤーというものは小型で低価格なものを除いては無くなると思います。
このあたりの時代の流れというか、消費者意識を上手くくみ取ったのがアップル社でしょうね。iPhoneやiPodはメディアプレーヤーとしての最低限の品質は維持しつつ、情報端末としての機能を大きく取り込んでいます。そんなアップル社はウェアラブルなiPod/iPhoneを世に出そうとしていますが、これによって世の中は大きく変わるでしょう。少なくともスマホの画面を凝視しながら危なっかしく歩く人はいなくなることでしょう。