LM3909N

Spread the love

LM3909NLM3909Nと聞いてピンと来る人なら私と話が合いそうです。1980年頃に電子工作をやっていた人で、秋月電子(当時はまだ信越電気という名前だったかも知れません。)に出入りしていたひとならLM3909Nという名前を懐かしく思い出すのではないでしょうか。このLM3909NというICですが、LEDを点滅させるためのICです。LM3909NにLEDとコンデンサ1個、乾電池を1個つなげれば、コンデンサの容量と電源電圧に従ってLEDが点滅してくれます。当時、LEDと言えば赤色が主流で、やや高価ではありましたが緑色も販売されていました。GaAsのLEDが生まれるずっと昔でしたからLEDのVFは2V程度でした。それでも、乾電池1個でLEDを点灯させることは難しく、増してマルチバイブレーター回路を構成して点滅させるとなると1.5Vでは絶対無理だったわけです。そんな時に、LM3909Nは随分と重宝しました。単一乾電池で十か月くらいは延々とLEDを点滅させることのできたLM3909Nは、当時の電子工作少年にとっては面白いICでした。

ただ、LM3909Nは需要が少なかったためでしょうか、8PDIPのICにしては高価で、当時でも300円くらいで販売されていたと記憶しています。また、用途が非常に限られたICでしたので、あっという間にディスコンになったのでしょう、パーツショップからは徐々に姿を消してしまいました。そんなLM3909Nがアリババの運営するaliexpress.comで取り扱われているんですね。それも、結構豊富に。勿論、日本のパーツショップでも細々と販売されています。何十年も前にディスコンになったICがいまだに販売されているのは驚きです。恐らく市中在庫だとは思うのですが、物持ちのよい問屋が有るものです。

もしかするとセカンドソース品が存在しているのかも知れませんが。