『空中ブランコ』

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okudakuuchuu奥田英明著の『空中ブランコ』です。奥田氏の作品では、精神科医伊良部一郎シリーズで三木聡監督の手によって映画化された『イン・ザ・プール』の印象が強く、その続編でもある本作品を読んだのはいいのですが、どうにも映画『イン・ザ・プール』の印象が強く、特にマツオスズキ氏の演じる伊良部一郎の印象がどうにもぬぐいきれず、常にマツオスズキ氏の語り口を頭の片隅に置きながら読了しました。

精神科医を訪れる患者と、奇矯な行動をとりながらも快方に向かわせる医師の織り成す短編コメディー集です。それぞれ余韻のある中々に良い話なのですが、私個人としては『ハリネズミ』と『義父のズラ』がなかなかよろしかったです。

精神科の病院というと、『サイレン』とか『シャッターアイランド』のようなおどろおどろしい場所を想像してしまうのですが、実際にはもっとあっけらかんとした場所なのかもしれませんね。