『初夜』
2015年12月16日
2021年12月14日
短編集が好きです。読み進むときに、「今日はこれを読もう」とか「今日はここまで」というふうに区切りをつけやすいんです。そもそも長編を読むのが苦手なので、軽い感じで読める短編集に手を出すことが多いです。
林真理子氏は、作家の中でもマスコミ露出度が高いとおもいます。その為でしょうか、顔と名前が直ぐに一致するのですが、作品はあまり頭に浮かばないんですよ。これは、単に私の食わず嫌いでこれまで作品を手に取っていなかっただけです。
そんな状況を打破する為に、読みやすそうな短編集をてにとってみました。全体を通じて男女の関係性を描いた作品集で、中々に楽しめる物でした。全ての作品の結末はちょっとだけ毒があって、時に寸止めで終わっており、これをどうとらえるかは読者次第なのでしょうが、私はニンマリとする感じでしたね。男女の愛憎とそれによって生まれるちょっとした妬み、そして結末にちょっとした仕返しができるかも・・・というところで寸止めされるところがニクイですね。
短編小説の備えるべきエッセンスがきちんと盛り込まれている小気味良い作品集でした。非常に読みやすい作品集ですので、読書はちょっと苦手という方にもおすすめできます。