注文していた492円のD級アンプがはるばる中国から送られてきました。正直なところあまり期待もしていませんでしたし、万一使い物にならなくても笑って許せる価格です。いつものように郵便屋さんが持ってきたのは灰色のビニール袋に包まれた小さな箱でした。重量感は全くありません。もしかして空き箱？と思うくらい軽かったです。ビニール袋に入っていたのはこれ↓です。

灰色のビニール袋を開けると「無造作」という言葉がぴったりの段ボール箱が出てきました。想像していたよりもずっと小さくて軽い箱でした。本当に出力50W+50Wのオーディオアンプが入っているのか、疑わしくなるくらいの小さく軽い箱です。箱を開けてみるとそこにはこんなものが入っていました。

箱の中身は、アンプの基板(電子部品はすべて装着済みでした)、電源コネクタ(Φ5.5mm,芯径Φ2.5mm,センター＋)、ボリュームつまみ、化粧板、ビス等が入っていました。袋からすべて取り出してみました。

組み立て前に気になる基板を見ていきたいと思います。一番気になっていたD級アンプICを見てみました。販売業者の説明ではアンプはTPA3116D2Mが使われていると書かれていましたが、実際にはAP3016DというICが使われていました。そもそもTPA3116D2Mを使用したアンプはもう少し高額ですので、別物もしくは偽物が使われていることは覚悟していましたので落胆や驚きはありません。ヒートシンク(放熱器)はついていませんのでそれほど出力は出せないでしょう。電源部についているコンデンサも貧弱ですのでやはり高出力は望めないでしょう。実際片チャンネル5Wも出れば御の字です。

次にBluetoothやUSBのコントローラを見てみましょう。

JLのAS20BPというチップが使われていました。どこかで見たことがあると思っていたら、以前購入した177円のMP3デコーダーに搭載されていたチップです。このチップ自体は情報がほとんどなくて色々といじりたくても手も足も出ない感じですが、使ってみた感じでは素性の良いチップだと感じています。出てくる音も飾りっ気のない素直な音ですし、MP3の他にFLACとWAVファイルのデコードができます。Bluetoothの方はSBCコーデックオンリーですので音質的にはあまり期待できませんが、実際使った感じではそれほど悪いものではありません。ただし、遅延は多めです。

さて、一通り部品を眺め終わりましたので組み立てることにします。組み立てはプラスの精密ドライバーがあれば大丈夫です。説明書は入っていませんので感を働かせて組み立てることになりますが、難しくはありません。

組み立ては数分で終わります。ボリューム兼スイッチはグリグリと押し込むだけです。また、ボリュームはぐるぐるといくらでも回るロータリーエンコーダーのような構造ですので、丸いくぼみの位置は気にしなくてOKです。組み立て後のサイズはタテ5.2cm×ヨコ5.2cm×高さ3.5cm(ツマミを含む)で、不安になるくらい小さいです。

組み立てが終わりましたので、電源とスピーカーを接続して鳴らしてみました。低音がやや強めに出るアンプで、高音域が控えめなためか、わずかに曇った感じの音です。Bluetooth接続は通常のBluetoothスピーカーと同様で極めて簡単です。デバイス名はXinYiです。また、USB-C端子にPCから接続するとUSB-DACとして動作します。認識名はJieLI BR21でした。その他、USB-C端子にUSBメモリを接続するとUSBメモリ内の音楽ファイルを再生できます。

なお、電源電圧は8V～24Vとなっていますが、24V動作時はアンプチップがかなり高温になります。アンプチップのすぐそばに電解コンデンサが設置されていて、このコンデンサもかなりの高温になります。12V動作の時はほんのり暖かい程度の温度にしかなりませんので、大きな出力が必要でなければ12V給電での動作が良いと思います。

このアンプ、スマホアプリでコントロールが可能らしいのですが、アプリの入手方法が不明です。あちこち検索してみたいと思います。音質は少しだけ高域を持ち上げてあげるとよろしいかと思いますが、ノイズは感じられず、機能面もそこそこ充実しています。測定器級の高級な聴覚をお持ちの方にはお勧めできませんが、気軽にスピーカーを鳴らすという目的ならこのアンプで十分だと思います。安いですしね。