26円のステレオDクラスアンプモジュールは使い物になるのか?

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AliexpressでステレオDクラスアンプが1個26円で売られていたので買ってみました。販売サイトによると出力は3W×2、電源電圧は5Vで動作するようです。方チャンネル3Wという出力は物足りなく感じるかも知れませんが、室内で使うならば十分ではないかと思います。使用するスピーカーの能率にもよりますが、室内で心地よい音量を出すことを目的にするならば3Wという出力は実用的ではないかと思います。

色々と使えそうなので、思い切って10個買ってみました。中国から届いた封筒を開けると↓こんな感じでした。10個のアンプモジュールが仲良くつながった状態で送られてきました。基板には切れ目が入っていますので、ポキポキと折ることができます。

1個26円のアンプモジュールは一枚の基板で送られてきました

基板を折って一つだけ取り外してみました。かなり小さいです。縦横2cmほどの大きさで、実際に手に取ってみるとかなり小さいです。Dクラスアンプは発熱が少ないようで、3W×2くらいの出力だったら放熱用のヒートシンクはいらないようです。電源は2.5~5.5Vで動作するようで、今回はUSB出力のモバイルバッテリーで動かしてみようと思います。

基板サイズは2cm角ほどで、想像していたよりもずっと小さいものでした

このアンプモジュールはDクラスアンプICのPAM8403が一つ、そのほかはチップ抵抗とコンデンサが数個だけのシンプルな構成です。これでちゃんと動くのか不安になるほどシンプルな構成です。データシートによると、EMI放射への配慮が必要なければスピーカー出力にLPFは必要ないようです。スイッチング周波数は260KHzで、効率は最大90%と記されていました。さすがDクラスアンプ、効率はピカイチです。

使用されているチップはPAM8403です。製造ロット表示がデータシートの記載と異なっているのが気がかりです。(偽物?)

今回はお試しでの利用ですので、ミニプラグ、USBケーブル、スピーカーをはんだ付けしようとしたのですが、入出力パターンの間隔が狭かったので、ピンヘッダを取り付け、そのピンヘッダにケーブル類をはんだ付けしました。電源は小型のモバイルバッテリーを使用し、音源はZishanZ1のイヤホン端子(アンプ側にボリューム調整の機能がないのでラインアウト端子ではなくイヤホン端子に接続しました)に接続しました。電源接続時のポップノイズは発生しませんでした。実際に出てきた音は非常に素直で癖がありません。あまりにもシンプルな回路なので、何の味付けもありません。低音から高音までフラットです。また左右チャンネルのパターンが概ね対称になっているからでしょうか、音像の定位が秀逸です。シンプルで味付けの無い、ベーシックそのものの音といってよいでしょう。恐らく組み込み用として作られているアンプモジュールでしょうから、ICメーカーのデータシートほぼそのままの回路だからこそ、キャラクターが無いのだと思います。データシートによると電源電圧5Vでスピーカーインピーダンス8Ωの時のTHD10%時の出力は1.8W、THD1%時の出力は1.4Wですから(3W出すには4Ωのスピーカーが必要です)、屋内使用が前提となるでしょう。逆に、屋内使用であれば十分な音量が得られると思います。フラットで味付けも癖もなく、音像定位のしっかりした音は大変好感が持てました。モバイルバッテリーで手軽に使える小型アンプはなかなか面白いです。これで26円とは、コスパモンスターですね。

こんな感じの構成で鳴らしてみました

ピュアオーディオの例えばAクラスアンプなどに比較すれば原理上ノイズまみれの出力しか出せないDクラスアンプで、しかもこのアンプモジュールではLPFが省略されていますので、耳には聞こえませんが盛大なノイズが垂れ流しされているはずです。その証拠に、スピーカーケーブルにAMラジオを近づけると盛大にノイズが出ていることがわかります。これを良しとするか否かは使用者に委ねられているのでしょうね。

はんだ付けは汚いですが、出てくる音はフラットで澄んでいます

2件のピンバック

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